
キリンホールディングスは3月18日、同社傘下の飲料未来研究所が、栃木県農業総合研究センターおよび早稲田大学と進める共同研究の結果、ビール大麦試験圃場へのバイオ炭施用で、温室効果ガス排出量の削減に加え、収量向上、保水性改善、土壌硬度低下、養分利用効率向上等を確認したと発表した。
同研究は2024年10月に開始。もみ殻由来のバイオ炭を10a当たり100kgから500kgの条件でビール大麦試験圃場に施用し、物理的・化学的・生物学的観点から総合的に評価した。
物理的・化学的効果および収量評価では、炭素固定量が10a当たり約0.1tから0.5tと推定され、バイオ炭施用によるビール大麦栽培での温室効果ガス排出量削減の可能性が示された。加えて、土壌中の全炭素量、可給態リン酸、交換性カリウムが増加。有効水分の増加や土壌硬度低下の傾向も見られ、透水性や物理性の改善効果も示唆された。収量面では、整粒重が3%から11%増加する傾向を確認した。
生物学的効果の評価では、バイオ炭施用により特定の細菌および真菌の相対存在量が増加。これらの微生物は、植物生育促進、養分吸収効率向上、窒素循環やリン可溶化促進に関与することが知られており、土壌生態系機能の強化や持続的な土壌肥沃度改善への寄与が示唆された。
一方、収穫したビール大麦をマイクロ製麦装置で製麦した上で確認した麦芽品質および醸造品質では、有意差のある差異は見られなかった。同社は、これらの結果からバイオ炭施用を、土壌改良、生産性向上、炭素貯留を同時に実現し得るリジェネラティブ農業技術と位置付けた。
同社は今後、ビール大麦栽培での温室効果ガス排出量削減技術の実用化に向け、農地や他作物への展開も視野に検討を進める。
【参照ページ】ビール大麦試験圃場へのバイオ炭施用によるGHG排出量削減と生産性向上の両立を確認
【画像】キリンホールディングス
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