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【ノルウェー】ストアブランドとKLP、米ダコタ・アクセス・パイプラインからのダイベストメント決定

 ノルウェーの金融機関大手ストアブランドと同国保険会社最大手および資産運用会社大手のKLPは3月、米国で社会問題となっている石油パイプライン「ダコタ・アクセス・パイプライン」に関係する企業からのダイベストメント(投資引揚げ)を決定したと発表した。

【参考】機関投資家100社以上、ダコタ・アクセス・パイプライン建設に懸念表明。関与銀行に対応を要求(2017年2月20日)

 まずストアブランドは3月1日、「ダコタ・アクセス・パイプライン」に関係する企業からのダイベストメント発表した。ダイベストメント対象となる企業は、同パイプラインの権益を保有するMarathon Petroleum、Enbridge、Phillips 66の3社。ダイベストメント規模は合計3,480万米ドル(約40億円)。

 ストアブランドのダイベストメント決定は、パイプライン建設反対派が拠点としていたキャンプ地から立ち退きを余儀なくされた日から1週間後の3月1日に発表された。同社は、それまでの期間、パイプラインの関連企業が先住民との間でインフォームドコンセントを実行すること、環境への影響を十分に調査すること、という2つの目標を標榜。関連企業への直接的な働きかけや、関連企業に影響を与えるための国際的な投資家グループへの参加、環境への懸念を示している100人の投資家達と協働したパイプラインの債権者達への手紙の送付等、様々な活動を行ってきていた。

 ストアブランドのマシュー・スミス・サステナブル投資部門長は、今回のダイベストメント決定の背景について、「アクティブ・オーナーシップ(株主としての影響力を通じて企業に変化を求める株主)では結果の改善は見込めず、状況の総合判断の結果、すべての株式を売却することを決定した」「一般的に当社は、株主として変化に影響を与えるという地位を行使することで企業や状況の好転を図ることができるという信念を持っているが、それが常に機能するわけではない」「(私たちのダイベストメントの決定は)関係している企業に対し、パイプラインルートの再考を示す最終的な意思表示となることを期待する」とコメントしている。

 続いてKLPは3月13日、「ダコタ・アクセス・パイプライン」に関係する企業からのダイベストメント発表した。ダイベストメント対象となる企業は、同パイプラインの権益を保有するEnergy Transfer Partners、Phillips 66、Enbridge、Marathon Petroleumの4社。ダイベストメント規模は株式と債券併せて5億8,000万米ドル(約660億円)。KLPも今回の決定の背景について、ストアブランドと同様、先住民の権利侵害という重大な人権侵害をあげた。また同じく同様にアクティブ・オーナーシップでは事態に対応しきれないとした。

 ダコタ・アクセス・パイプラインのルート再考要求については、すでに他の金融機関でも大きな波紋を呼んでいる。昨年11月には、ノルウェーの銀行DNBや同国の運用会社Odin Fund Managementがパイプラインに関連する企業の株式売約を決定。今年2月7日は、シアトル市議会が同パイプラインに融資を実施している米国銀行大手ウェルズ・ファーゴとの契約更新を行わないことを決議し、市の預金30億米ドルが別の金融機関に移動した。

 一方、パイプライン建設プロジェクトは、トランプ新大統領の意向を受け、米国陸軍工兵司令部が、パイプラインの建設に必要な最終許可を付与。2月9日に建設が再開されている。プロジェクト側が裁判所に提出した書類によると、3月6日から4月1日の間にパイプライン建設が完了し、石油を輸送する準備が整う予定。

【参考ページ】Storebrand withdraws investments from Dakota Access
【参考ページ】Private investor divests $34.8m from firms tied to Dakota Access pipeline
【機関サイト】Storebrand
【参照ページ】KLP excludes companies involved in Dakota Access Pipeline

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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