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【国際】漁業認証MSC、海藻基準や餌混入基準、労働慣行など新6プログラムについて意見募集

 持続可能な漁業を推進しているNGO海洋管理協議会(MSC)は3月15日、MSCが2017年に実施するプログラム内容について、幅広いステークホルダーからの意見募集を開始した。締切は4月30日。MSCは国際的な漁業認証(MSC認証)を発行している機関であり、今年のプログラム内容には認証制度の改定も含まれている。今年の活動方針やプログラム内容はオンライン上で閲覧でき、意見募集はオンライン上やEメールで送ることができる。

【参考】持続可能な漁業「MSC認証」取得事業者が世界で増加。日本を含むアジア地域は依然少ない(2016年11月2日)

 今年実施予定のプログラムは新たに6つを予定している。

労働慣行

 MSC認証の労働慣行要件の拡大。MSC認証の保有者と取得予定者の双方に対して、事業活動の中で強制労働や児童労働に関与していないことを自己申告することを課す。今回の意見募集では、自己申告の提出手法についてステークホルダーから意見を募る。この労働慣行に関する意見募集は他より長く5月14日まで受け付ける。

MSC移行プログラム(ITMプログラム)

 MSCは、持続可能な漁業に関心のある漁業関連事業者に対して、MSC認証の前段階のプログラムとなる「ITMプログラム」の設立を検討している。MSC認証は厳しい基準をクリアした事業者にのみ発行されるが、その前段階となる「ITMプログラム」では、MSCが事業者に対して様々な支援をしながら、MSC認証基準に到達する支援を行う。ITMプログラムは2018年に創設される予定。今回の意見募集では、ITMプログラムへの参加基準とITMプログラムの修了上限期間、ITMプログラム参加中の進展確認方法について意見を募る。

事業者評価の平準化(ハーモナイゼーション)

 MSC認証での事業者評価については、審査官が違うと評価が異なるという問題が発生している。ハーモナイゼーションへの取組では、事業者評価でのスコアや必要改善ポイントにおいて、審査官毎の差が出ないようにしていく。意見募集では、ハーモナイゼーションを実現するための手法について意見を募る。

マスバランスCoC基準

 現在、養殖漁業の認証を発行している水産養殖管理協議会(ASC)は、養殖の餌についての新たな基準「ASC Feed Standard(ASC-FS)」を策定中。この基準ができると、ASC認証を取得している水産養殖事業者はASC認証を取得している餌生産事業者から餌を購入しなければならなくなる。一方、餌生産事業者の生産現場では、餌の原材料となる魚の調達において、MSC認証取得事業者からの魚の購入が期待されるが、餌生産事業者にとってMSC認証済の魚と非認証の魚を分別管理するのは現状では容易ではない。そこで、MSCは、餌生産において認証魚と非認証魚の混入が容認される重量割合基準「マスバランスCoC基準」の策定にASCと協働で取り組んでいる。「マスバランスCoC基準」は2018年前半に完成する予定。今回の意見募集では、マスバランス基準案の有効性と、ASC-FS基準とMSC-CoC認証マスバランス基準の調整のあり方について意見を募る。

トレーサビリティ

 MSCはCoC基準のレビューの一環として、CoC認証開始時のトレーサビリティ改善に関するアイデアを求めている。今回の意見募集では、CoC基準の適切な現場適用方法や、認証審査プロセス早期段階でのトレーサビリティの考慮、CoC認証評価機関に対しトレーサビリティリスクレベルの判定方法に関する支援等について意見を募る。

海藻事業者へのMSC認証付与

 MSCは、現在ASCと協働で、海藻関連事業者に対する新たな認証基準の策定プログラム「ASC-MSC Seaweedプログラム」を進めている。今回の意見募集は、この新基準の原案と認証審査機関に求められる必要事項や認証審査方法について意見を求める。海藻基準は、今回の意見募集の後に、基準最終案を作成する作業に移り、その後に再度の意見募集を行う。新基準は今年12月にリリースされる予定。

【参照ページ】MSC seeks stakeholder input on sustainable fishing and traceability standards

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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