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【日本】GPIF、国際的な著名機関投資家との意見交換結果を公表。グローバル・アセットオーナー・フォーラム

 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は7月18日、2017年5月3日に米カリフォルニア州で開催した「第2回グローバル・アセットオーナー・フォーラム」の議論内容を公表した。ESGインテグレーション、ダイベストメント、運用会社の報酬、集団訴訟等について参加者の間で意見交換がなされた。

 グローバル・アセットオーナー・フォーラムは、GPIFが主導して2016年7月に発足した国際的な機関投資家の意見交換会。参加者は、GPIFの他、カリフォルニア州職員退職年金基金(CalPERS)、カリフォルニア州教職員退職年金基金(CalSTRS)、フロリダ州運営理事会、ハーバード大学年金基金、カリフォルニア州立大学理事会、世界銀行財務局、オンタリオ州教職員年金基金、ブリティッシュコロンビア州投資管理会社、フランス年金基金EFRFP等。GPIFとCalPERSが共同主幹事を務め、ESG投資に関する意見交換と、運用会社とアセットオーナーの利益の合致の2つを大きなテーマとしている。GPIFは、国際水準の投資運用を目指しており、「グローバル・アセットオーナー・フォーラム」で交わされる会話は、GPIFにとって重要な情報源となっている。

 第2回会合となった今回も、ESG投資に関する活発な意見交換がなされた。投資運用の中にESG要素を組み入れる投資手法「ESGインテグレーション」では、ESGをリスク低減の一要素として捉えることはアセットオーナーと運用会社の双方から支持を得ていると評価。一方、ESGデータの向上と情報開示の拡充は、機関投資家の投資対象評価とESG要素の定義と優先順位付けにとって重要だとした。

 昨今、石炭について情報が飛び交うダイベストメントの議題では、株価を売却し株主の地位をやめてしまうダイベストメントという手法は、企業の抱える問題に対し効果的にエンゲージメントできなくなってしまうという意見が出たことを示し、投資し続けることや粘り強くエンゲージメントすることの重要性についても話し合わせたことを伺わせた。

 ESG評価会社のESGスコアについては、各社のスコアリングに大きなばらつきがあるとし、スコアリングモデルを完全に開示することでその詳細を確認できるとした。

 もう一つの重要テーマである運用会社とアセットオーナーの利益合致では、インセンティブ体系、手数料、人材の流動性、透明性は重要だと確認。運用会社のインセンティブ体系については、経営トップの報酬だけでなく投資意思決定に関わる全ての役職員の報酬体系を適切するすべきだとの踏み込んだ意見も出た。また、業績連動報酬は長期の実績に連動すべきだとの声も紹介されている。

 アセットオーナーが、株主として関わっている訴訟案件やクラスアクション(集団訴訟)については、法務知見や研究成果の共有が大切だという声が出た。訴訟における協働の可能性にも次回の会合で話し合うことになった。

【参照ページ】第2回 グローバル・アセットオーナーフォーラムの概要

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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