カリフォルニア州教職員退職年金基金(CalSTRS)は2月8日、2017年の「グリーン・イニシアチブ・タスクフォース報告書」を発行。環境投資に対する昨年の取組状況についてまとめた。カルスターズは毎年同報告書を発表しており、今年は11年目。
今年の報告書では、カルスターズが2015年に重要と定める4テーマ、「従業員への環境投資教育」「委託先運用会社での環境リスク統合」「環境テーマ投資の増加」「資産配分での環境考慮」について詳述している。
従業員への環境投資教育では、運用チームは、コンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニー主催の「Sustainability & Resource Productivity Summit」やCeres主催の「Investor Network on Climate Risk and Sustainability」、国連責任投資原則(PRI)の会合に参加。最新の動向を収集した。さらに、国際資本市場協会(ICMA)のグリーンボンド原則(GBP)理事会や、米サステナビリティガイドライン策定SASBの投資アドバイザリーグループにメンバーを派遣し、同分野への理解を深化させた。
委託先運用会社での環境リスク統合では、全委託先に対し、投資判断の際に環境関連リスクを考慮するよう徹底。同報告書では、カルスターズがリスクファクターを用いる10の手法を説明。例えば、インフレーションへの感応度の高い20億米ドル運用のポートフォリオでは、「21 Risk Factor Investment Management Agreement」「投資アドバイザリーボード」「コモディティリスク分析」「環境インパクト評価」の4つの手法を用い、最終的に再生可能エネルギー分野に2億4,300万米ドルを投資する判断を下した。
環境テーマ投資の増加では、グリーンボンドの継続購入を実施。カルスターズ保有の債券310億米ドルのうち、グリーンボンドは2億5,400万米ドルにまで増えている。
資産配分での環境考慮では、コンサルティング大手マーサー主催の研究会に参加等実施。その結果、グローバル株式ポートフォリオにおいて、ESG株式投資数「MSCI ACWI Low-Carbon Target Index」への25億米ドル投資することを決定。まず13億米ドルを米国企業に投資。残り12億米ドルは米国外企業に投資していく。
【参考サイト】CalSTRS Green Initiative Task Force Report Evaluates ESG Risks
【報告書】Green Initiative Task Force Report 2017
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