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【アメリカ】カリフォルニア州、新築住宅に太陽光発電パネルの設置義務化を決定。全米初

 カリフォルニア州エネルギー委員会は5月9日、気候変動対策の一環として、2020年1月1日以降に同州で建築される単世帯住宅および3階建までの複数世帯住宅に太陽光発電システムの設置を義務付けることを決定した。同措置は全米初。カリフォルニア州エネルギー委員会は、同州政府自然資源庁(CNRA)に設置された委員会で、エネルギー政策を所管。今回の措置は同委員会の全会一致で可決された。

 同州は、1970年代に住宅に新たな省エネ基準を設定し、以後段階的に省エネ基準を引き上げてきた。その結果、州内の1人当たりの電力需要は、現在までほぼ横ばいで推移し、他州での需要増とは一線を画している。2007年には、同州のエネルギー委員会と公共事業委員会が、2020年までに全新築住宅を「ネット・ゼロ・エネルギー」にする目標を掲げ、新築・既存住宅の両方に太陽光発電システム設置の経済的インセンティブプログラムを開始。しかし、目標そのものの達成方法は明確に定まっていなかった。

 太陽光パネルの価格は、この10年で半減。同州の新築住宅の約20%は既に太陽光発電パネルを設置している。直近のデータによると、1kW当たりの中央値は4.3米ドル(約471円)だという。カリフォルニア州では、建築物は交通・輸送の次に二酸化炭素排出量が多く、2016年に制定された州法「ニ酸化炭素排出量削減法」では、2030年までに州の排出量を1990年比40%削減すると定めた。今回の決定は、2020年までの全新築住宅「ネット・ゼロ・エネルギー」化に向けた大きな一歩となる。

 懸念された設置費用について同委員会は、パネルおよび新たな省エネ基準に沿った窓と断熱材を含め、住宅建設コストは10,538米ドル(約115万円)増えると見積もった。同州では不動産相場が高く、住宅保有のハードルをさらに上げるのではとの不安視もあった。しかし同委員会は、それに伴い住宅ローンは月額40米ドル(約4,400円)増えるものの、光熱費が月額80米ドル(約8,800)円下がると試算し、全体ではコスト削減できる。さらに新基準には、屋根が小さすぎたり、日陰になったりしている場合には、屋内での省エネ化を図る等の柔軟性も持たせている。

 同州では2017年に雨季が長期化し、電力需要が落ち込んだことで、太陽光発電産業が低調。同業界労働者は2016年から13%減少し、86,400人となった。また、今年1月にトランプ大統領が太陽光発電パネルに輸入関税を課すと発表したことも懸念材料となっていた。今回の同州の決定は、経済政策の意味合いも持つ。

【参考ページ】Proposed California solar mandate could add $10,500 to cost of a house
【参考ページ】Solar to be required on most new homes in California starting in 2020

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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