投資運用世界大手米ブラックロックは2月1日、今後のESG投資の展望を示したレポート「サステナビリティ:投資の未来」を発表した。かつてリターンを犠牲にすると言われていたESG投資は、今やメインストリームの投資手法になりつつあると断じた。
同レポートによると、米国及び欧州の投資信託とETF(上場投資信託)の運用資産残高は、2013年の4,530億米ドル(約50兆円)から現在は7,600億米ドル(約84兆円)にまで増加。2028年には2兆米ドル(約220兆円)にまで迫る勢いと見通した。また、ESG株式ファンドと従来型のファンドを2012年から2018年までの期間のパフォーマンスで比較したところ、米国、米国以外先進国、新興国のいずれでもESG株式ファンドの方がリターンが高かった。このことから、今や「なぜESG投資をするのか」から「なぜESG投資をしないのか」を説明しなければいけない時代になってきているとした。
ESG投資がリターンを高めることができるようになった背景には、使う価値のあるESGデータが増えてきたことを挙げた。投資対象地域グローバルの代表的なインデックスMSCI ACWIの採用銘柄のうち、データが取得できる企業は2009年には33.8%しかなかったが、2017年には58.3%と大きく向上した。但し、ESG評価の方法論やテクノロジーには大きな進化の余地があるとした。
また、現在のESGスコアでは表面化できていない情報には、超過リターン(アルファ)を得られる要素があるとし、例として気候変動を挙げた。ブラックロックが、「Transition-ready(移行の準備ができている)」戦略として、原単位排出量や、クリーンテクノロジーへのエクスポージャーを定量化したところ、同戦略は大きなアルファが得られた。
【参照ページ】Sustainability: The future of investing
【レポート】Sustainability: The future of investing
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