マレーシアのヨー・ビー・イェンヌ・エネルギー・技術・科学・環境・気候変動相は5月28日、海外から違法輸入された約3,000tのプラスチック廃棄物を輸入元の国に送り返す意向を表明した。対象国には、米国、日本、カナダ、オーストラリア、英国等を含む14ヶ国が挙げられている。
中国がプラスチック廃棄物の輸入を禁止した「中国ショック」以来、マレーシアはプラスチック廃棄物の主要受け入れ先の一つとなってきた。国内にはその影響でリサイクル業者が出現してきているものの多くは認可を得ておらず、また地元からも環境汚染による苦情が寄せられている状況。クアラルンプール郊外のクラン港では、資源ごみと偽って家庭ごみや電子廃棄物(E-Waste)などが混入していることが調査、報告されている。マレーシアはすでに、リサイクルできない5コンテナ分のプラスチック廃棄物をスペインに送り返している。
東南アジアでは、フィリピンのドゥテルテ大統領も先週、2013年から2014年の間にカナダから違法に持ち込まれた廃棄物69コンテナ分を送り返すよう命令したばかり。
リサイクルに向かないプラスチックは焼却するか、埋め立てるしかない。焼却されれば大気中に有毒な化学物質が放出され、埋立処分は土壌や水質汚染を引き起こす。2018年5月には、バーゼル条約締約国会議で、プラスチック廃棄物の輸出入の透明性を高め強制を強化する法的拘束力のある枠組みを盛り込むバーゼル条約改正案をノルウェーが採択されたが、プラスチック廃棄物の最大輸出国である米国は、バーゼル条約に加盟していない。
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