インドネシア投資調整庁(BKPM)は10月28日、ニッケル鉱石の輸出を2020年1月から2022年まで停止すると発表した。当面は同国内の製錬企業が国際水準価格で購入する予定。同国は世界最大のニッケル鉱生産国であることから国際的に波紋が広がる。
今回の背景には、インドネシア政府が、国内の製錬企業を強化するため、国内でのニッケル製錬を優先させる思惑がある。インドネシア政府は9月、輸出禁止が当初予定から2年早まって実施する方針を発表。今回、ニッケル採掘事業者との間で妥結した。採掘企業側は、同国内の精錬所のニッケル鉱石購入価額が市場価格より遥かに安いことに不満を持っており、今回、同国内での取引でも国際市場価格を参照することが決まった。エネルギー鉱物資源省もニッケル鉱石の最低価格規則を改訂する検討をしている。
一方ニッケル製錬企業側は、原料購入に課題を抱えており、インドネシアのニッケル製錬最大手である中国の浙江青山鋼管(Tsingshan)は、鉱石不足を理由に11月から生産を20%削減すると発表していた。製錬企業側は、同国産のニッケル鉱石を購入する考えだが、購入価格が上昇することについては、政府からの支援を求めている。
今回の発表を受け、ロンドン金属取引所(LME)の卑金属相場では、ニッケル鉱価格が40%近く上昇し1t当たり17,000万米ドルの水準。9月には5年ぶりに1t当たり約1万8,850米ドル(約200万円)の最高値を付けていた。
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら