国際環境NGOの国際自然保護連合(IUCN)は12月10日、絶滅危惧種をリストアップした「IUCNレッドリスト」を更新した。評価対象は11万種超。今回新たに1,840種が追加され、絶滅危惧種指定は合計30,178種となった。
IUCNは、レッドリスト更新の背景に気候変動があると指摘。気候変動により、異常気象の発生頻度や規模が増すことで、生物は生息地の変更等、生態系への影響を与えている。オーストラリアの淡水魚種の37%は、絶滅の危機に晒されており、そのうち少なくとも58%が気候変動の影響を直接受けている。特にタンビコモリザメ(Pseudoginglymostoma brevicaudatum)は、30年間で約80%減少。気候変動と乱獲により、絶滅危惧II類から絶滅危惧IB類に移行した。
絶滅(EX) | 我が国ではすでに絶滅したと考えられる種 |
野生絶滅(EW) | 飼育・栽培下でのみ存続している種 |
絶 滅 危 惧 | 絶滅危惧ⅠA類(CR) | ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの |
絶滅危惧ⅠB類(EN) | ⅠA類ほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの |
絶滅危惧Ⅱ類(VU) | 絶滅の危険が増大している種 |
準絶滅危惧(NT) | 現時点での絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種 |
情報不足(DD) | 絶滅のおそれがある可能性はあっても、そのように判定するに足る情報が不足している種 |
絶滅のおそれのある 地域個体群(LP) | 地域的に孤立している個体群で、絶滅のおそれが高いもの |
その他にも、ドミニカ国のミカドボウシインコ(Amazona imperialis)は、カリブ海で頻発するハリケーンにより、絶滅危惧II類から絶滅危惧IB類に移行。現在、野生の成体は50頭未満と推定される。また、沖縄の近海に生息するジュゴンは、個体数が10頭以下となり、絶滅危惧II類から絶滅危惧IA類に移行した。
一方、慎重な管理による繁殖により、グアムクイナ(Hypotaenidia owstoni)やモーリシャスホンセイインコ(Psittacula eques)、トラウトコッド(Maccullochella macquariensis)等の鳥類8種と淡水魚2種の保全状態は改善された。
【参照ページ】Species recoveries bring hope amidst the biodiversity crisis - IUCN Red List
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら