エネルギー世界大手蘭ロイヤル・ダッチ・シェルは12月13日、二酸化炭素排出量削減目標達成度に応じて金利が変動するサステナビリティ連動型のコミットメントライン融資(リボルビング・クレジット・ファシリティ)を100億米ドル(約1.1兆円)獲得したと発表した。現在のコミットメントライン融資88.4億米ドル(9,700億円)のリファイナンス。シンジケートには25銀行が加わった。
今回の融資は、償還5年の80億米ドルのコミットメントラインと、償還1年の20億米ドルのコミットメントラインで構成している。特徴は大きく2つ。まず、同社は、二酸化炭素ネット排出量の削減で、長期目標として2050年までに2016年比50%減、中期目標として2035年までに同20%減を掲げ、短期目標として2021年までに同2%から3%減を設定している。今回のサステナビリティ連動ローンは、この短期目標の達成に応じて代わり、達成すれば金利と手数料が下がる。対象となる排出量には、自社での排出量だけでなく、販売した原油やガスの消費からの排出量も含む。排出量は、ロイド・レジスター・クオリティ・アシュアランス(LRQA)から第三者評価を取得し、毎年報告する。
2つ目の特徴は、金利を、LIBORではなく、SOFR(担保付翌日物調達金利)で設定した点。SOFRは、ニューヨーク連邦準備銀行が発行する複数の市場のレポレートの加重中央値を用いる。
今回のサステナビリティ連動ローンのアレンジャーは、バンク・オブ・アメリカとバークレイズ。シンジケートに加わったのは、両社の他、ANZ、中国銀行、サンタンデール銀行、BNPパリバ、シティバンク、クレディ・アグリコル、クレディ・スイス、ドイツ銀行、ゴールドマン・サックス、HSBC、中国工商銀行(ICBC)、JPモルガン、ロイズ・バンキング・グループ、みずほ銀行、モルガン・スタンレー、ナティクシス、カナダロイヤル銀行、三井住友銀行、ソシエテ・ジェネラル、スタンダードチャータード、TDセキュリティーズ、UBS、ウェルズ・ファーゴ。
【参照ページ】SHELL SIGNS INNOVATIVE $10 BILLION REVOLVING CREDIT FACILITY
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