運用世界大手米ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ(SSGA)のサイラス・タラポールヴァラCEOは1月28日、投資先企業の取締役に対し書簡を送付。2020年は、ESGに関する取締役とのエンゲージメントを引き続き活発化させ、さらにエンゲージメントに応じない企業に対しては、議決権行使を通じた企業の対応変化も辞さないと語った。SSGAは、運用残高3.1兆米ドル(約340兆円)で世界第3位。
SSGAは、3年前にも取締役に対し、ESG全般でのサステナビリティ考慮を要求する書簡を送付している。その後も、気候変動、労働慣行、消費者保護等でのアクションを強化することで、株主価値は向上しているとの見解をさらに強め、今回の書簡送付へと繋がった。SSGAは、ESGは企業にとって長期戦略の「オプション」ではなく「必須」と見做している。
SSGAは、これまでのエンゲージメントを通じて、多くの投資先企業の取締役がESGは重要と認識しているとの回答を得ている。しかし同社の分析によると、十分と呼べるアクションが実施されている企業は25%にも満たないという。同社は、SASBスタンダードを活用し、独自にESG評価フレームワーク「R-Factor」を開発しており、すでに上場企業世界6,000社以上の評価スコアを保有している。
同社は2020年、R-Factorを用い、投資先企業の長期戦略の中に重要なESG課題を埋め込むために、株主総会で議決権行使を行っていくことを表明した。特に、R-Factorが低い上に、改善しようとしない企業の取締役再任には反対票を投ずると明言した。対象は、S&P500、FTSE350、ASX100、TOPIX100、DAX30、CAC40の採用企業。2022年からは、他の上場企業にも拡大する方針。
SSGAは、顧客とのフィデューシャリーデューティー(受託者責任)により長期投資リターンを拡大するために、投資先企業にESGアクションを求めると説明した。
【参照ページ】CEO’s Letter on our 2020 Proxy Voting Agenda
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