半導体世界大手米インテルは5月14日、サステナビリティレポートの中で2030年目標と戦略を発表。同社では解決できない課題を事業の中心に据えた「RISE戦略」を初めて打ち出し、ステークホルダーと協働しながら大規模な課題を解決していく戦略を掲げた。
今回の発表では、2030年までの戦略として、「Responsible, Inclusive, and Sustainable world, Enabled」を掲げ、その頭文字をとって「RISE」戦略と命名。自社内リソースや資源、専門性、影響力だけで解決できず、業界横断かつNGO等との連携が必要となるグローバル課題へのコミットメントを提示したのは初めて。Responsible、Inclusise、Sustainableの観点から3つずつ、Enabledで1つの合計10の事業強化ポイントを明確にした。
その上で、2030年目標と戦略として、利用量以上の水の創出、100%再生可能エネルギー使用の実現、同社製造工場からの埋め立て廃棄物排出量ゼロ、上級管理職における女性やマイノリティの割合の倍増、サプライチェーン上の人権問題への対応の拡大も掲げた。
テクノロジーを活用した健康と安全への革新
ヘルスケア・生命科学企業、各国政府らと協働し、戦略的製造、物流、ヘルスケアイニシアチブへのテクノロジーを導入を行う。同社は近年、新型コロナウイルスおよび将来的な感染症のパンデミックに備え、クラウドや人工知能(AI)、高度な診断や治療を行うテクノロジーソリューション等の導入を行うイニシアチブ「Pandemic Response Technology Initiative」を設立。数学的公式モデル「Responsibility-Sensitive Safety」等の安全な自動運転技術の実現および、「IEEE 2846 WG」等の標準策定に向け、業界および政府と協働した。
テクノロジーの更なるインクルーシブ化とデジタル普及拡大
同社は、グローバル・インクルージョン・インデックスの公開標準作成および実装を行う等、業界横断でインクルーシブビジネス慣行の適用を加速するため、レノボらと協働。共通の尺度を活用し、上級管理職や技術職における女性やマイノリティの割合や、テクノロジーへのアクセス、賃金格差是正等の進捗を追えるようにした。
また、政府や地域コミュニティと協働し、情報格差是正に向け、10カ国10万人以上の高校生と専門職に対し、人工知能(AI)カリキュラムおよびリソースを提供するプログラム「Intel AI For Youth」を実施。今後もグローバルに拡大し、 2030年までに、30カ国3万機関と提携し、3,000万人以上に同トレーニングを提供するとした。
気候変動対策としてカーボンニュートラル・コンピューティングの実現
同社はPC製造企業やリサイクル可能な梱包材ベンダーとの協働し、世界でも最も持続可能でエネルギー効率の高いPCを製造予定。センサー技術による電力使用量の削減や、省エネで耐用年数の長いアーキテクチャの開発等、設計から使用時までの二酸化炭素、水、廃棄物排出量を削減するサステナビリティロードマップを検討している。
【参照ページ】Intel Launches First Global Challenges, Marks a New Era of Shared Corporate Responsibility
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