化学世界大手ドイツBASFは7月28日、同社の全製品約45,000品目全てについて、製品のカーボンフットプリントを算出し、顧客への開示を開始したと発表した。全製品のカーボンフットプリントを算出したグローバル企業は同社が世界初。
今回測定しているカーボンフットプリントは、原材料採掘から顧客納品までを範囲とし、顧客に手元までのサプライチェーンの全体をカバーしている。同社は2007年から製品カーボンフットプリントの測定を開始していたが、その後同社で独自にシステム管理するためのデジタルツールを開発。これにより全45,000製品でのカーボンフットプリント算出が可能となった。顧客へのカーボンフットプリント・データ提供に関しては、特定の製品での今後数ヶ月以内にスタート。2021年末までには全製品の提供を可能にする計画。
BASFは、気候変動対策を重要な戦略と位置づけている。二酸化炭素排出量削減では、事業拡大しつつも排出量を2030年まで横ばいに抑える目標を設定しており、そのために省エネ、再生可能エネルギーへの切替、バイオ素材や廃棄物リサイクル素材への切替を進めている。今回全製品のカーボンフットプリントを算出する体制を整えたことで、原料や製造工程での排出削減が、そのまま顧客への価値として訴求しやすくなった。
BASFは、製品カーボンフットプリントの算出を業界全体にも広げるため、算出ガイドラインの策定を主導していく考えも伝えた。
BASFは、サステナビリティの分野で世界の化学業界をリードする存在。8月5日には、スキンケアやヘアケア用品に使われる安定剤を100%天然素材で生産する新商品「Lamesoft Balance」を発表。8月6日には、同社の東南アジア法人BASF South East Asiaが、有害化学物質使用削減推進ZDHC財団に加盟し、皮革、生地、靴に使われる素材生産についてZDHCのガイドライン「MRSL」を適用していくことも表明した。
【参照ページ】BASF calculates CO2 footprint of all sales products
【参照ページ】100 percent naturally derived: BASF launches Lamesoft® Balance for efficient stabilization of rinse-off formulations
【参照ページ】BASF South East Asia joins ZDHC Foundation to scale up sustainability in the leather, textile, and footwear industry
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