金融庁は10月30日、東日本大震災・自然災害被災者債務整理ガイドライン運営機関を事務局とする「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン研究会」が、「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」を新型コロナウイルス感染症に適用する場合の特則と、その運用の実務指針Q&Aを公表したと発表した。
同特則は、新型コロナウイルス感染症の影響により、住宅ローン、住宅のリフォームローン、事業性ローン等の債務を返済できなくなった個人債務者が、自己破産等の法的倒産手続ではなく、特定調停手続を活用した債務免除を行う準則を策定したもの。12月1日から特則の適用を開始する。
同特則は、2020年2月1日以前に負担していた既往債務と、2020年2月2日以降から同特則制定日の10月30日までに新型コロナウイルス感染症の影響による収入や売上げ等の減少に対応することを主な目的として以下のような貸付け等を受けたことに起因する「政府系金融機関の新型コロナウイルス感染症特別貸付」「民間金融機関における実質無利子・無担保融資」「民間金融機関における個人向け貸付」の3つを対象と設定。対象機関は、金融機関全般。
同特則の内容は、返済に誠実であるものの返済が難しくなり、債権者にとっても経済的な合理性が期待される場合に、特定調停手続の活用を促すというもの。特定調停手続では、債務者は、住宅資金貸付債権について、民事再生法を援用し、調停案を作成することができる。住宅資金貸付債権以外の債権の弁済期間は原則5年以内とした。
【参照ページ】「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」を新型コロナウイルス感染症に適用する場合の特則の公表について
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