国際環境NGOレインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)は12月9日、パーム油、紙パルプ、木材等に関連するインドネシア大手10社が、「自由意思による、事前の、十分な情報に基づく同意(FPIC)」の原則を遵守するための適切なポリシーと標準作業手順書(SOP)を策定していないと批判するレポートを発表した。
今回の調査対象となった10社は、ベスト・インダストリー・グループ、ゲンティン・グループ、ジャーディン・マセソン・グループ、コリンド・グループ、ラジャワリ・コーポラ、ロイヤル・ゴールデン・イーグル、サリム・グループ、シナルマス・グループ、トリプトラ・グループ、ウィルマー・インターナショナル。
FPICは、人権の一つとして、国連先住民族の権利に関する宣言で定められている原則。FPICの遵守のためには、ポリシーと標準作業手順書(SOP)の2つが必要と掲げられている。SOPとは、作業や進行上の手順について詳細に記述した指示書のことを指す。
同調査では、ポリシーとSOPについて、コミットメントを8つの項目で評価したが、全項目を達成した企業はなかった。最も遵守項目が多かったのは、コリンド・グループの5項目。一方、ベスト・インダストリー・グループとトリプトラ・グループは、達成項目がゼロだった。
またFPICを構成する「自由意思による」「事前の」「十分な情報に基づく」「同意」の4要素のカバー状況では、シナルマス・グループのみが4つ全てをカバーしていた。
同レポートでは、上記10社の企業グループと取引を行っている消費財大手と銀行大手に対し、4要素を全てカバーした上で、ポリシーとSOPを策定をするよう当該企業に要求するよう要請。消費財大手としては、ユニリーバ、P&Gを、コルゲート・パーモリーブ、マース、モンデリーズ・インターナショナル、ネスレ、ペプシコ、フェレロ、花王、日清食品ホールディングスを挙げた。銀行では、JPモルガン・チェース、ABNアムロ、DBS、中国工商銀行(ICBC)、バンクネガラインドネシア(BNI)、CIMB、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)を挙げた。
【参照ページ】Ten Major Indonesian Agribusiness Corporations Failing On Indigenous Rights
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