カナダ核融合型原子力発電技術開発ジェネラル・フュージョンは1月14日、カナダEコマースShopifyの創業者とその妻が2019年に設立したするベンチャーキャピタル「シスルダウン・キャピタル」から出資を獲得したと発表した。出資額は未公表。
同社に対しては、10年以上前に、アマゾンのジェフ・ベゾスCEOも出資している。同社は2019年だけでも1億米ドル(約100億円)を調達しており、近年大きな注目を集めている。
今回の獲得した資金は、同社が開発した磁化標的核融合(MTF)の実験炉の建設に活用する。同施設では、発電所規模の実証実験を行う予定。MTFは、米国の海軍調査研究所が「LINUS」プログラムで研究してきた技術。磁場閉じ込め核融合と慣性核融合の中間に位置するパルス方式で、コンパクトトロイド(CT)プラズマによる標的を繰り返し生成し,導体ライナーの慣性により核融合条件まで圧縮するというもの。
同社は、さらに1月20日、カナダ自然科学・工学研究会議(NSERC)からの「Alliance Grant」助成金も獲得した。同社はカナダのマギル大学のジョバン・ネディッチ教授とパートナーシップを締結しているが、NSERCは今回の同社とマギル大学の双方に対し合わせて24万カナダドル(約2,000万円)の助成金を出した。この資金は、MTFでの流体力学の不安定性低減に関する研究に用いられる。
核融合型原子力発電の分野では、米コモンウェルス・フュージョン・システムズ、英トカマク・エナジー、カナダのジェネラル・フュージョンの3社が先頭を走っている。コモンウェルス・フュージョン・システムズは、マサチューセッツ工科大学とパートナーシップ関係にあり、国際熱核融合実験炉(ITER)プロジェクトが追求している方式に近い超伝導磁石を活用した核融合技術。トカマク・エナジーも超伝導磁石を活用を手法で、プリンストン大学プラズマ物理研究所がパートナー。
【参照ページ】Shopify founder supports General Fusion through Thistledown Capital
【参照ページ】Alliance grant for McGill Professor and Canadian fusion energy company
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