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【スイス】政府、UBSがETF投資先中国企業の人権侵害を追及するNCP案件を受理。NGOが提訴

 スイス政府は1月20日、NGOが経済協力開発機構(OECD)多国籍企業行動指針に基づく連絡窓口(NCP)に提訴されたUBSの案件を受理した。今後NCPでの審理が始まる。NCPは、OECD多国籍企業行動指針に対する違反が疑われる場合に設置される紛争解決組織。

 今回、UBSをNCPに提訴したのは、Society for Threatened Peoples(STP)。訴状は、UBSが管理するETFが、中国の監視カメラ大手ハイクビジョン(海康威視数字技術)に投資していることを、OECD多国籍企業行動指針違反と訴えた。ハイクビジョンは、中国の新疆ウイグル自治区内でも監視カメラを提供しており、ウイグル人の監視という人権侵害に加担しているという。

 ハイクビジョンに関しては、2020年12月に監視カメラ情報シンクタンクIPVMが、ウイグル人の監視に使われているカメラの特許を遅くとも2017年の時点で保有しているを確認したと報道していた。

 今回の案件は、UBSが管理している上場投資信託(ETF)を通じて投資している投資先企業での人権侵害が、UBSについても追及される状況となっており、同様の事案がNCPに持ち込まれたのは今回が世界初。特に今回、対象ファンドが、UBSのESGファンド「UBS ETF MSCI China ESG」の投資先でもあったため、余計に関心が集まっている状態。

 ハイクビジョンは、2020年12月に米国防総省の「注視リスト」に入り、インデックス大手が同社のインデックス採用から除外。現在は、UBS ETF MSCI China ESGからも除外されている。

【参考】【アメリカ】国防総省、中国企業4社を注視リスト入りで合計35社に。FTSEは世界インデックスから除外(2020年12月6日)

 スイスのNCPは、UBSがカストディアンとして対象企業の株式を管理している場合は、事業取引関係にはないとしたが、インデックスファンドの投資先とは事業取引関係にないとの立場を示していたが、最終的には事業取引関係を認めた。

 STPの訴状では、UBSグループが、ETFを含めて、すべての事業でハイクビジョンとの関係を絶つことと、将来の人権デューデリジェンス強化による再発防止を要求している。

 スイスのNCPは、今後審理を開始するが、基本的には和解を促すスタンスをとっており、UBSとSTPの協議の結果に注目が集まる。

【参照ページ】Specific Instance regarding UBS Group AG submitted by the Society for Threatened Peoples Switzerland

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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