オーストラリア機関投資家グループのクリーンエネルギー投資家グループ(CEIG)は8月23日、オーストラリアでのクリーンエネルギー導入を大規模に進めるための投資家原則「クリーンエネルギー投資家原則」を発表した。CEIGに加盟している機関投資家の運用資産総額は90億豪ドル(約7,200億円)。
CEIGは2019年に発足。現在の加盟機関投資家は、マッコーリー・キャピタル、BayWa、ライトハウス・インフラストラクチャ、RWEリニューアブルズ、ジョン・レイン・グループ、WindLab等15団体。加盟機関は一部の機関しか公表されていない。
CEIGは、オーストラリアの再生可能エネルギープロジェクトは現在、過剰なリスクを抱えており 投資が十分集まらず、消費者がコストプレミアムを負担していると見立てている。そのため資本コストを低減するため、今回、5つの内容で構成する原則を発表した。
- 国内エネルギー市場(NEM)制度を国際標準に合わせる
- 変革のためにガバナンスを再設計する
- 収入の確実性を向上する
- リスクを効果的に配分する
- 投資可能で革新的な市場を構築する
CEIGは、今回の原則を確立するに際し、レニー・パートナーズに分析を委託したシミュレーションモデルを活用した。レニー・パートナーズの報告書は、豪ガス・電力市場運営機関「オーストラリア・エネルギー市場オペレーター(AEMO)」が2020年に策定した5つのシナリオを基に、将来を予測。その中で、高いグローバル経済成長と国内協調で大幅なトランジションを実現する「ステップ・チェンジ」シナリオのみが唯一の解になると結論づけた。
具体的な数値目標としては、現在3GW分しか計画されていない再生可能エネルギー発電を2042年までに51GW新設にまで増強。投資ポテンシャルとしては700億豪ドル(約5.6兆円)にもなる。またバッテリーも15GW必要。
投資家調査によると、今回設定した原則を遵守した場合、資本コストが100bpsから250bps下がり、全体70億豪ドルのコスト削減が可能になるという。それにより株式コストでも最大で10%もの削減が可能になる模様。
【参照ページ】Energy market step change required now to unlock clean energy investment and save $7b
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