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【国際】金融サービスタスクフォース、投融資先カーボンニュートラル促進に向けた実践ガイドライン公表

 持続可能な市場のためのイニシアチブ(SMI)の金融サービス・タスクフォース(FSTF)は10月20日、銀行業界による投融資先のカーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)促進のための実践ガイドラインを公表した。

 SMIは、2020年の世界経済フォーラム(WEF)年次総会(通称、ダボス会議)の場で、英チャールズ皇太子が発足。HSBC、バンク・オブ・アメリカ、バークレイズ、BNPパリバ、シティグループ、クーツ、クレディ・スイスのサステナビリティ・リサーチ&インベストメント・ソリューションズ部門、JPモルガン・アセット&ウェルスマネジメント、ロイズ・バンキング・グループの商業銀行部門、マッコーリー・キャピタル、ナットウエスト・グループ、スタンダードチャータードの12社が加盟している。

 今回のガイドラインでは、11銀行の知見を集約。シニアエグゼクティブからネットゼロ戦略策定者まで幅広い読者を対象にし、セクター横断で適用可能な投融資先企業への積極的な働きかけについて整理した。

 同ガイドラインの序章では、銀行が頑健な戦略を策定する際に直面する重要な選択、潜在的なトレードオフ、意思決定プロセスのインサイト、セクター共通の部分等を紹介。2章では、低炭素経済への移行や進捗状況の透明性確保を担う企業や政府に対する、銀行のエンゲージメント方法を説明する。

 ガイドラインの主な提言は、「排出スコープの定義」「ベースラインの測定」「将来シナリオの選択」「ポートフォリオのアラインメント」「投融資ポートフォリオの削減目標の設定」「カーボンオフセットの利用箇所とタイミング」「情報開示の進捗」の7つ。

 排出スコープの定義では、銀行に投融資での二酸化炭素排出量を開示を求めた。マテリアルな場合には、独自のメソドロジーを開発するか、業界でのメソドロジーが開発されるのを待っても良いとした。また、一貫性あるオンバランスおよびオフバランスの二酸化炭素排出量レポーティングのための業界スタンダードの開発を求めた。

 ベースラインの測定では、投融資カーボンフットプリント算出基準策定機関Partnership for Carbon Accounting Financials(PCAF)または比較可能なメソドロジーに準拠することを要請。比較可能なメソドロジーを活用する場合には、そのメソドロジーや予想を開示することを求めた。また幅広いステークホルダーと協働し、二酸化炭素排出量データを横断的に感じすべきとした。

 将来シナリオの選択では、科学的根拠に基づく、地理的特性や業界特性に応じたシナリオの選択を要請。1.5℃目標に準拠しない場合には、合理的な理由を説明することも求めた。

 ポートフォリオのアラインメントでは、価値ある成果につなげるために特定の状況に適したメソッドやツールの使用と開発を要請。選択したメソッドとツールについては、透明性ある形での開示を求めた。

 投融資ポートフォリオの削減目標の設定では、排出絶対量の測定、化石燃料セクターの目標の評価を要請。排出絶対量や排出用削減目標の設定有無に限らず、科学的根拠に基づき一貫した排出絶対量の削減目標の設定を求めた。

 カーボンオフセットの利用箇所とタイミングでは、炭素市場の触媒となり、加速の支援を要請。科学的根拠に基づく削減目標イニシアチブ(SBTi)、カーボンオフセット市場のルール策定イニシアチブVCMI、自発的炭素市場拡大に関するタスクフォース(TSVCM)等の支援や、投融資先のオフセット量の分離計上等を求めた。

 情報開示の進捗では、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への準拠、カーボンニュートラルに向けた年次報告を要請。どの情報が、アニュアルレポートや補助ドキュメント、ウェブサイト等のどこで開示されるべきかを標準化するために協働するとした。

【参照ページ】Coalition of Banks Launches Guide for Industry's Transition to Net Zero

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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