国際グリーンボンド基準策定NGO気候債券イニシアチブ(CBI)は1月26日、2021年上半期までの中国でのサステナブルボンド(ESG債)市場動向を分析したレポートを発表した。中国興業銀行(CIB)リサーチ子会社の興業研究(CIB Research)と英UK Pactが作成に協力した。
中国では、2021年4月は、中国版グリーンボンド・ガイドラインの最新版「グリーンボンド適格プロジェクト・カタログ(2021年版)」が発行。7月1日に発効した。これにより、中国で乱立していたグリーンボンド基準が統一され、化石燃料が明確に資金使途から除外。国際的なグリーンボンド基準に大きく近づいた。
【参考】【中国】政府、中国版グリーンボンド・ガイドライン改正案公表。化石燃料を資金使途不適格に(2020年6月15日)
また2021年には、カーボンニュートラル向けに特化したカーボンニュートラル債や、サステナビリティ・リンク・ボンド(SLB)も中国で登場。ソーシャルボンドの発行も出てきている。
2021年上半期までの過去累計の中国国内でのサステナブルボンドの発行額は3.3兆元(約60兆円)。カーボンニュートラル債だけで1,406億元(約2.5兆円)までに達し、2021年上半期ではグリーンボンド発行の57.3%が、カーボンニュートラル債だった。地方政府のグリーン目的での特別目的債発行も454億人民元にまで伸長した。
外債発行も増えており、2020年から2021ね上半期までで、海外でのグリーンボンド発行は93億米ドル、ソーシャルボンドで10億米ドル、サステナビリティボンドで74億米ドル。中国銀行と中国興業銀行は、海外市場でブルーボンドも発行。青島水務集団が国内でのブルーボンド発行第1号となった。
中国では、グリーンボンド発行への政府支援も充実してきており、金利補助、政府保証、補助金等の実質的なインセンティブが導入されている。CBIは、2023年には、中国での年間サステナブルボンド発行額が1兆米ドルを突破すると見通した。
【参照ページ】Keeping the momentum: China introduces innovative labels into domestic market and consolidates position as the primary emerging market source of green, social and sustainability (GSS) bonds
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