米ニューヨーク州上院は6月3日、暗号資産(仮想通貨)に関する環境問題に対処するため、プルーフ・オブ・ワーク(PoW)マイニング企業の新規承認を2年間停止する法案を賛成36、反対27の賛成多数で可決した。すでに同州下院を通過しており、州法案S6453は州知事が署名すると成立する。
今回の州法案は、PoWが大量の電力を消費することを問題視したことが背景。民主党議員が提出した。一方、水力発電の多い同州は、PoWマイニングに好条件で人気を博し、産業振興となっていた。そのため、上院環境保全委員会が会期中の最終会合で同州法案の審議を拒否。しかし、提出した民主党議員が委員長を務める上院エネルギー・電気通信委員会への付託に切り替える審議を11時間をかけて乗り切り、最終的に上院エネルギー・電気通信委員会を通過。ギリギリのタイミングで上院本会議で可決された形。
同州法は、現在営業しているマイニング企業や更新申請開始中の企業には影響を与えない。だが、同議員によると、影響を受けない企業は現在営業中の1社のみで、実質的に大きな影響を及ぼすという。
同州法は、停止期間中、PoWマイニングが環境に与える影響について調査を実施。その影響を見極めて、解禁か禁止かを判断する。同州ではすでにマイニング企業が、化石燃料の火力発電の確保に動いてたという情報もあり、調査は慎重に進められる模様。そのため、暗号資産の業界では、全面禁止の予兆と受けとめる向きもある。
【参照ページ】Senate Bill S6486D
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