【ヨーロッパ】GSMA、欧州の5G普及の遅れに政策に警鐘。「デジタルの10年」の目標達成へ

　国際的な携帯電話通信業界団体GSMアソシエーション（GSMA）は10月5日、欧州での5Gの普及の遅さが「デジタルの10年」政策の目標達成の妨げになることを警告する報告書を発表した。同政策では「Gigabit for everyone, 5G everywhere」というコネクティビティの目標を掲げている。

　今回の発表は、2022年6月時点での携帯電話通信市場を分析し提言をまとめたもの。欧州では34カ国、108法人が5Gの商用サービスを開始しており5Gのシェアは6%に到達した。2025年までに欧州全体の5Gの普及率は44％となり、英国は61%、ドイツは59%と欧州でも高い導入率になる予定。
　
　一方で、世界の他の経済圏と比較すると遅れを取る可能性が高い。韓国は73％、日本と米国は68%の5Gの普及率となる見込み。また、5Gネットワークのカバー率も低い。2025年には2021年の47%から70%に上昇するが、韓国や米国では98％以上と大きな差があると指摘した。

　今回の発表では、政府は民間セクターと協力し、次世代ネットワークへのインフラ投資、デジタルイノベーションのための適切な条件を整えることが不可欠と提言。具体的には、競争政策の再考と規制の枠組みの調整、ネットワークトラフィックの効率性が高い事業者へのインセンティブ、サプライチェーンの多様化によるネットワークの安全性向上、投資を促す周波数ライセンス条件の導入、接続性目標の達成に向けたコスト削減策の展開を訴えた。
　
【参照ページ】GSMA Report Demonstrates Policy Action is Needed for EU to Achieve Digital Decade Goals

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