クボタは12月27日、欧州子会社Pulverizadores Fedeを中心に参画している欧州の「OPTIMAプロジェクト」と共同開発した農薬噴霧機「OPTIMAスマート・スプレイヤー」が、欧州最大級の農業機械展示会「EIMA2022」の「技術賞(Technical Innovation Award)」を受賞したと発表した。精密散布により、農薬の使用量を大幅に削減することができる。
OPTIMAプロジェクトは、アテネ農業大学が主導し、カタルーニャ工科大学農業機械ユニット等の欧州の重要な農業研究センターや学術機関が参加しているプロジェクト。スペインに本社を置くPulverizadores Fedeも開発チームも中心に参画しており、クボタはPulverizadores Fedeを2021年10月に、同社の株式100%を取得し、完全子会社化することを発表していた。Pulverizadores Fedeは1967年創業で従業員数は45人。
EUは、Farm to Fork戦略の中で、2030年までに農薬使用量を50%削減することを目標としており、OPTIMAプロジェクトに対しても補助金を拠出している。
今回受賞した「OPTIMAスマート・スプレイヤー」は、トラクタで牽引しながら、リンゴ等の果樹に精密に農薬を散布するインプルメント(作業機)。作物の密度や、病害虫の発生状況を検知する機能を備え、作物の密度や病害虫等の発生状況に合わせて噴霧方向や噴霧量等をリアルタイムに制御することができる。その結果、農薬使用量を最大45%、農薬散布時に目標とする散布対象以外の近接する作物や住居・道路等に農薬が飛散する「ドリフト」を最大60%削減できる点が高く評価された。
【参照ページ】欧州最大級の農業機械展示会「EIMA2022」の技術賞を受賞
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