金融世界大手仏BNPパリバは12月12日、ソーシャルボンドを5,000万ユーロ(約70億円)発行。世界で初めて債券パフォーマンスを「MSCIユーロゾーン・ソーシャル・セレクト30指数」に連動させた。
同債券は、発行体がBNPパリバ、組成がBNPパリバCIBのグローバル・マーケッツ部門。購入が同グループ保険会社のBNPパリバ・カルディフ。同社グループが一貫して関わっている。
まず、ソーシャルボンドとしては、資金使途として、雇用アクセス、機会均等、住宅アクセス、教育アクセス、ヘルスケアアクセスの5つを設定し、関連する融資やリファイナンスに充当する。セカンドオピニオンは、サステイナリティクス(Sustainalytics)。
そして、最も特徴的なのは、「MSCIユーロゾーン・ソーシャル・セレクト30指数」とのパフォーマンス・トラッキングさせたこと。同インデックスは、MSCIが9月に発表。欧州経済通貨統合(EMU)の先進国10ヶ国の中大型株230社を選定した「MSCI EMUインデックス」を親インデックスとし、その中で時価総額上位80社がユニバース。そこから、ESGコントラバーシーが2以上、MSCI ESG評価でのガバナンススコアが下位25%、女性取締役比率20%未満の企業を除外。さらに、国連の持続可能な開発目標(SDGs)のうち社会課題に関する目標1、2、3、4、5、8、10、16を大きく損なう企業を除外した上で、1つ以上に大きく貢献している企業を選定。また、アルコール、問題性のある武器、ギャンブル、一般炭、たばこ、シェールオイル・ガス等の企業や、国連グローバル・コンパクト(UNGC)に大きく違反する企業を除外し、残った企業のうちMSCI ESG評価のソーシャルスコアの上位30社を選定している。構成比率は、時価総額加重平均だが、最大ウエイトは5%に調整されている。
また、今回の発行スキームでは、投資総額の一部をBNPパリバ・グループが支援するNGOに寄付するスキームも採用した。寄付対象団体は、BNPパリバの企業エンゲージメント部門が選定し、BNPパリバCIBのグローバル・マーケッツ部門がデューデリジェンスを実施した。今回はArticle 1とSport dans la Villeが選定された。
【参照ページ】BNP Paribas CIB and BNP Paribas Cardif finalise inaugural structured social index-linked bond
【参照ページ】MSCI Eurozone Social Select 30 Index
【参照ページ】BNP Paribas Social Bond Framework
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