古河電気工業と同社傘下の米スーパーパワー(SPI)は1月12日、英核融合開発トカマクエナジーに対し、高温超電導線材を提供すると発表した。核融合炉の建設に必要な数百kmもの長さの線材をSPIのニューヨーク工場で生産し、供給する。
トカマク・エナジーは、英オックスフォード近郊に本拠を構える。1965年に英政府が創設したカラム核融合エネルギーセンターから2009年にスピンオフする形で創業。従業員は220人以上で、英政府だけでなく、米政府の核融合技術開発プロジェクトからも助成金も得ている。
【参考】【イギリス】政府、小型原子力発電の技術開発に54億円の助成金。競争力向上とCO2削減、雇用創出(2020年7月14日)
今回の線材は、トカマク・エナジーが開発している先進核融合原型炉「ST80-HTS」に用いるもの。ST80-HTSは、世界最初の実機規模を有する高磁場球状トカマク型核融合炉として、2030年代の前半を目途に建設が進められている。実証では200MWの電力を供給する計画。
古河電気工業によると、球状トカマク炉で1億℃以上の超高温に達する核融合燃料を閉じ込めて燃焼させるには、高温超電導(HTS)磁石が必須の部材という。トカマク・エナジーはHTS磁石の設計で、古河電工グループはHTS線材の開発製造に関しそれぞれリーディングポジションにあり、両社の協働が決まった。
すでにSPIは、最初の納品を完了済み。また、トカマク・エナジーのパイロットプラント「ST-E1」や将来の需要増に備え、生産設備の拡張計画の検討している。
【参照ページ】トカマクエナジー社と古河電気工業 核融合エネルギーの推進に向け両社の関係を強化
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