英スコットランド政府の政府外公共機関ネイチャースコットは3月1日、カーボンクレジット創出を活用した原生林回復で、プライベートバンクとの共同プロジェクトを発表した。20億ポンド(約3,300億円)の民間資金を動員する。
スコットランド地方には、英国の10大森林のうち7つが集中している。国立公園や保護区も多い。森林保護では、従来は公的資金が主な資金源だったが、公的資金の負担を軽減するため、民間ファイナンスの活用を進めている。今回がスコットランド政府の実証プロジェクト第1号となる。雇用創出や地域活性化にも繋げる。
協働に応じたのは、英プライベートバンク大手Hampden & Coと、スイスのプライベートバンク大手ロンバー・オディエの子会社ロンバー・オディエ・インベストメント・マネージャーズ。インパクト助言会社パラジウムも参画する。
調達した資金は、スコットランド南部の「ワイルドハート・ボーダーズ・フォレスト・トラスト」に投じられる。ネイチャースコットとSouth of Scotland Enterpriseは、すでに最初のスコーピング評価を実施済みで、スコットランド南部の中心部に新たな原生林を約30,000ha回復し、2億ポンドから3億ポンドの民間ファイナンスで、約600万tの炭素隔離が可能と判断している。今回の発表では、今後30年間で原生林約18.5万haを創出し、二酸化炭素2,800万tを吸収する。創出したカーボンクレジットは、英国の企業に限定し販売する。最初のスキームは2023年春に開始される予定。
スコットランド政府は、カーボンニュートラルを実現するため、自然資本の分野に200億ポンドのファイナンスが必要と算出している。また、参画するパラジウムは、過去5年間で10億米ドル以上を動員し、400万haの森林保護を実現してきている。
【参照ページ】£2 billion private finance pilot potential ‘vital step in restoring Scotland’s woodlands’
【参照ページ】Palladium Partnering with NatureScot to Mobilise £2 billion in Nature Restoration across Scotland
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