国際インパクト測定ガイドラインNGO資本連合(Capitals Coalition)のプロジェクト「TEEBAgrifood for Business」は9月14日、農業・食料セクターのレジリエンス強化、ベストプラクティス共有、生物多様性保全、持続可能な食料システムの構築に向けた「企業向け運用ガイドライン」の最終版を発表した。
同ガイドラインは、企業が農業セクターの自然資本、人間・社会等への影響と依存関係を理解し、意思決定を変革するためのもの。資本連合(Capitals Coalition)の前進となる自然資本連合(NCC)と社会・人的資本連合(SHCC)が各々策定した、自然資本プロトコル(NCP)と社会・人的資本プロトコル(SHCP)を基盤とし、作成した。
【参考】【国際】自然資本連合と社会・人的資本連合が合併。Capitals Coalition創設。30機関が戦略的パートナー (2020年1月28日)
【参考】【国際】自然資本連合(NCC)、ついに「自然資本プロトコル(NCP)」初版を発行(2016年8月1日)
【参考】【国際】社会・人的資本連合SHCC、「社会・人的資本プロトコル(SHCP)」発表。NCPの社会版(2019年3月6日)
今回のガイドラインでは、自然資本プロトコル(NCP)と併せて発表された食品・飲料セクターガイドに基づき、同セクターと社会・人的資本、金融セクターとの関係性を初めて体系的に分析するためのツールとして構築した。企業のバリューチェーンにおける自然資本と人間の相互依存関係の理解を支援する。
同プロジェクトは、欧州委員会の資金支援に基づき、ブラジル、中国、インド、インドネシア、マレーシア、メキシコ、タイの5カ国で、複数の農業アプローチを実証導入。初期草案が発表されてからの3年間、今回のガイドラインを実証運用し、アクションを強化してきた。
同ガイドラインの個々のテーマは、目新しいものではない。しかし、従来、気候変動、自然資本(生物多様性)、人権等を別々に分析した企業にとっては、重要テーマを包括的に掘り下げ、企業戦略を構築していくプロセスを提示する内容になっている。
【参照ページ】The TEEBAgrifood Project Launch Operational Guidelines for Business
【画像】Capitals Coalition
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