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【EU】欧州会計監査院、乗用車ネットゼロでEVを「唯一の選択肢にみえる」と指摘。課題はコスト

 EUの欧州会計監査院(ECA)は4月24日、EUが掲げる2050年カーボンニュートラル達成に向け、電気自動車(EV)政策を見直す必要があるとの考えを表明した。

 欧州会計監査院は、EUのカーボンニュートラル目標達成のためには、乗用車からの温室効果ガス排出量を削減しゼロにすることが必須であり、従来の内燃機関自動車からの代替燃料への転換や、電気自動車の大量導入を確保する必要があるとの見解を示した。

 具体的には、従来型自動車の燃費改善は、実際には自動車が平均で約10%重くなっており、実排出量の減少にはあまりつながっていないと指摘。また、電動化を穏やかに進めるプラグイン・ハイブリッド車(PHV)は、実験室での排出量と実際の排出量に平均で250%の差があることが確認されており、「低排出」と分類されていることに苦言を呈した。

 バイオマス燃料、eFuel(合成メタン)、水素等の代替燃料に関しては、利用可能な燃料の量、コスト、バイオマス燃料のサステナビリティに対処する明確で安定したロードマップが欠如していると課題を指摘。EU域内ではバイオマス燃料で代替するための生産量が確保されておらず、第三国からバイオマスを輸入することは、エネルギーの戦略的自立という目標に反するとした。加えて、バイオマス燃料は経済的競争力が弱く、バイオマス燃料のサステナビリティは過大評価されており、課題が多いとした。

 それらを踏まえ、乗用車からの温室効果ガス排出量をゼロにするためには、EVが唯一の選択肢に見えると伝えた。だが、欧州のバッテリー産業が世界の競合他社に遅れをとっており、適切な貿易協定を結んでいない第三国からの原材料輸入に過度に依存していることも問題とした。バッテリーに対しては、多額の補助金が支給されているものの、EUで製造されるバッテリーのコストは予想よりもはるかに高いままの状態にあり、EVの新車販売促進も補助金頼みであり、バッテリー価格の引き下げが急務と見立てた。

 同時に、EV充電ステーションが不足しており、2025年までに100万カ所というEU目標は進捗が遅れていることや、公共のEV充電ステーションのアクセス状況はEU加盟国毎にも差があり、リアルタイム決済システムの不備によりEU域内での移動も容易ではないと課題を伝えた。

【参照ページ】Zeroing in on zero emissions ‒ A sharp bend ahead

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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