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【国際】IEA「世界エネルギー投資2024」、再エネ投資は化石燃料の2倍。課題は途上国

 国際エネルギー機関(IEA)は6月6日、エネルギー投資の状況を分析した年次報告書「世界エネルギー投資2024」を発行した。

【参考】【国際】IEA、「世界エネルギー投資2023」発行。再エネ投資が大幅増傾向。課題は途上国(2023年5月30日)

 世界のエネルギー投資額は、2024年には初めて約3兆米ドル(約470兆円)を超え、このうち約2兆米ドル(約313兆円)がクリーンエネルギー分野に投資される見込み。2023年には、再生可能エネルギーと送電網への投資額の合計が化石燃料への投資額を初めて上回った。

(出所)IEA

 エネルギー別では、太陽光発電への投資額が他のクリーンエネルギーへの投資額の合計を上回る。2024年にはモジュール価格が更に低下することによる投資意欲の増加から、5,000億米ドル(約78兆円)を超える見込み。

(出所)IEA

 課題として、中国を除く開発途上国におけるクリーンエネルギーへの投資水準の低さを強調。開発途上国におけるクリーンエネルギーへの投資額は初めて3,000億米ドル(約47兆円)を突破するものの、世界全体のクリーンエネルギーへの投資額の15%に過ぎず、投資コストの高さが新プロジェクト開発を妨げていると指摘した。

(出所)IEA

 地域別では、中国がクリーンエネルギーへの投資額のシェア一位となり、6,750億米ドル(105兆円)に達する見込み。これは太陽光、リチウム電池、電気自動車(EV)の3つの分野の国内需要の高さに牽引されている。次いで、欧州が3,700億米ドル(約58兆円)、米国が3,150億米ドル(約49兆円)。3地域の投資総額は世界のクリーンエネルギー投資額の3分の2以上を占めており、地域格差が大きい。

 クリーンエネルギーへの移行に重要な送電網と電力貯蔵技術への投資額は増加傾向。送電門への投資額は、2021年まで年間約3,000億米ドル(約47兆円)程度だったが、2024年には4,000億米ドル(約62兆円)を超える見込み。電力貯蔵技術への投資もコスト低下により2024年に540億米ドル(約8兆円)に達するが、途上国の投資額は中国と先進国への投資額の100分の1しかなく格差が大きい。

(出所)IEA

 世界の石油・ガス投資額は、2024年は2023年から7%増加し5,400億米ドル(約83兆円)に達する見込み。主に中東とアジアの国営石油企業による投資額の増加が要因。現在の投資水準は、現在の政策設定に基づく2030年の需要に概ね一致しているが、世界の気候変動目標の達成シナリオで予測されている投資水準よりも大幅に高い。

(出所)IEA

 石油・ガス企業によるクリーンエネルギー投資額は2023年には300億米ドル(約4.7兆円)であり、投資額のわずか4%に過ぎない。石炭火力発電への投資額も増加し続けており、2023年には50GWを超える石炭火力発電所が承認されており、2015年以来の過去最高水準となった。

【参照ページ】Investment in clean energy this year is set to be twice the amount going to fossil fuels

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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