
化学世界大手独BASFは6月10日、牛の胃から発見されたバクテリアを活用し、二酸化炭素と砂糖からフマル酸を生産する研究開発「FUMBIO」を行っていると発表した。フマル酸は、食品や飼料添加物、医薬品、ポリマー、洗剤等の幅広い用途で使用される中間体。
FUMBIOは、独ザールラント大学、マールブルク大学、カイザースラウテルン・ランダウ大学との共同研究。ホルスタイン種の胃で発見されたバクテリア「Basfia succiniciproducens」を遺伝子組換えし、発酵プロセスでバイオ由来フマル酸の量産を目指す。
Basfia succiniciproducensは、フマル酸生産と同時に二酸化炭素を固定する特徴を持つ。BASFは、バクテリアの発酵プロセスに必要な二酸化炭素を、自社の化学プラントの排ガスから調達予定。また同研究では、酵素によるフマル酸の精製も並行して研究を進める。
化学業界ではこれまで、化石燃料由来の原料からフマル酸を生産してきた。同研究により生産したバイオ由来フマル酸の温室効果ガス排出量を算定し、従来原料との比較を行う。製造過程で二酸化炭素を原料として活用するため、大幅の排出量削減を見込む。
【参照ページ】BASF researching CO2-neutral production of bio-based fumarate using bacteria found in cow stomachs
【画像】BASF
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