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【国際】国連、2100年に3.2℃上昇ペースと警鐘。民間金融に期待。未来のための協定採択

【国際】国連、2100年に3.2℃上昇ペースと警鐘。民間金融に期待。未来のための協定採択 1

 国連は9月5日から6日、ブラジルのリオデジャネイロで第5回気候変動とSDGsのシナジーに関する世界会議を開催。気候変動と国連持続可能な開発目標(SDGs)シナジー状況を示した報告書の2024年版と、「世界持続可能な開発報告書」の2024年版が公表された。また国連は9月22日から23日まで米ニューヨーク市で未来サミットを開催し、両報告書を踏まえた「未来のための協定(Pact for the Future)」を採択した。

 第5回気候変動とSDGsのシナジーに関する世界会議は、国連経済社会局(UNDESA)と国連気候変動枠組条約事務局(UNFCCC)が共同主催し、G20議長国のブラジル政府が主催国となった。30カ国以上から政府関係者や専門家等80人以上が登壇。会場には300人以上が参加した。

 2024年版の「世界持続可能な開発報告書」によると、SDGsの169ターゲットのうち、達成に向けて順調なものが17%、比較的順調なものが18%で、かろうじて及第点なものまで含めて35%から達成ペースにない。わずかに進展しているものが30%、停滞しているものが18%、悪化しているものが17%ある。特に、目標2「貧困ゼロ」、目標8「働きがいと経済成長」、目標13「気候変動」、目標14「海の生態系」は、悪化しているターゲットが多い。
【国際】国連、2100年に3.2℃上昇ペースと警鐘。民間金融に期待。未来のための協定採択 2(出所)UN

 進捗モニタリングも進展してきている。国連では、2016年に各ターゲットの進捗状況を測定するためのモニタリング指標を定めている。そのうち50カ国以上の状況を把握できている指標が、2016年当時には3分の1程度しかなかったが、現在は68%にまで上昇。指標の定義が国際的に確立しているものも2016年当時は61%にとどまっていたが、現在は100%全てカバーできている。

 気候変動の状況では、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第6次報告書(AR6)を引用し、2011年から2022年までの平均気温は、産業革命期との比較ですでに1.1℃上昇していることを紹介。さらにこのままのペースでは2100年には3.2℃上昇すると言及した。一方、気候変動が及ぼすSDGsの169ターゲットへの影響については、科学的なエビデンスが揃っているものが多く、気候変動対策を進めなければ、各目標の達成もおぼつかなくなると伝えた。
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 SDGsとパリ協定の達成に向けたファイナンスでは、公的機関とともに民間セクターが重要との認識をあらためて表明。国連責任投資原則(PRI)、国連グローバル・コンパクト(UNGC)、経済協力開発機構(OECD)の各種原則、持続可能な開発のための世界経済人会議(WBCSD)等のアクションや、EUタクソノミー等を好事例として伝えた。

 官民のサステナブルファイナンスの見通しでは、2035年時点で145億米ドル(約2.1兆円)。そのうち政府系ファイナンスが6,000億米ドル、民間ファイナンスが8,500米ドルと、民間ファイナンスの方が大きい。
【国際】国連、2100年に3.2℃上昇ペースと警鐘。民間金融に期待。未来のための協定採択 4(出所)UN

 未来サミットが採択した「未来のための協定」は、国際条約や国連総会決議ではなく、未来サミットの共同声明という位置づけ。付属書として「グローバル・デジタル・コンパクト」と「未来世代宣言」の内容も包含している。未来のための協定では、56の必要アクションを盛り込んだ。

 グローバル・デジタル・コンパクトは、アントニオ・グテーレス事務総長が提唱したもので、新たなテクノロジー時代において誰一人取り残されないようにするための原則を示したもの。SDGs達成のためのデジタル活用、デジタル経済の恩恵を万人に尋が得るためのインクルージョンインクルージョン、オープン性、安全性を確保するための人権を重視視するデジタル空間、責任・公平・相互運用性を確保したデータガバナンス、人間性の恩恵のあるAIの国際ガバナンスの5つを目的とし、13の原則、2030年までの具体的な政府コミットメントで構成されている。

【参考】【国際】G77+中国サミット、科学技術・イノベーションで途上国への支援要請。不公平な負担(2023年9月18日)
 
【参照ページ】Governments, experts and youth to seek integrated solutions at 5th Global Climate and SDG Synergy Conference
【参照ページ】Conference Summary
【報告書】2024 Global Report on Climate and SDG Synergy
【報告書】2024 Global Sustainable Development Report
【参照ページ】United Nations adopts ground-breaking Pact for the Future to transform global governance
【協定】Pact for the Future

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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