環境に関する金融リスクを検討するための中央銀行・金融当局ネットワーク「環境リスクに係る金融当局ネットワーク(NGFS)」は10月25日、国連生物多様性条約第16回カリ締約国会議(CBD COP16)と国連気候変動枠組条約第29回バクー締約国会議(COP29)に向け、「カリ・バクー・プレッジ」を発表。気候変動、生物多様性喪失、自然劣化から生じる課題に対処することを再確認した。
NGFSは今回、一流の科学者と共同開発した気候シナリオによれば、1.5℃目標の達成は、経済全体の努力を高めればまだ達成可能であり、経済的に何もしない場合と比べはるかに低コストとなると強調した。気候リスクや自然リスクを放置すれば、経済リスク、金融リスク、システミックリスクに転化する可能性があるとの考えをあらためて示した。
そのため、各国政府が国別削減目標(NDC)や生物多様性国家戦略・行動計画(NBSAP)によって国家的な移行パスウェイを設定することが非常に重要であり、それによって中央銀行や金融当局も実現環境を整備できると伝えた。
NGFSとしてのアクションでは3つに重点を置いた。まず、金融政策と金融安定のミッションを果たすために、気候変動と自然劣化から生じる経済的影響と金融リスクを統合的なアプローチで検討する必要性を認識。続いて、分析フレームワーク、ツール、ガイダンスを提供し、加盟機関が気候や自然に関連する金融リスクを統合できるよう支援していく。さらに、広範な金融コミュニティ、特に財務省、金融機関、企業に対し、これらのリソースを活用するよう呼びかけていく。
NGFSには現在、141機関が加盟。米国、EU、英国、カナダ、スイス、日本、中国、韓国、シンガポール、香港、インド、インドネシア、メキシコ、ブラジル、アルゼンチン、チリ、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ、トルコ、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、ケニア、ナイジェリア等の数多くの金融当局が参画している。
【参照ページ】NGFS Cali-Baku Pledge to Enable Action
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