
金融世界大手米モルガン・スタンレーは10月25日、ネットゼロ目標を改訂し、新たな「ネットゼロ・メソドロジー報告書」を発表した。法人融資での2030年セクター別目標を修正した。
同社は2020年、2050年までにファイナンスド・エミッション(投融資カーボンフットプリント)でのカーボンニュートラルを宣言。さらに2021年4月には、2030年までに国連持続可能な開発目標(SDGs)の目標達成に資するサステナビリティ分野に1兆米ドル(約110兆円)をファイナンスすることも発表し、同11月には、自動車、エネルギー、電力のセクター別目標を設定していた。
【参考】【アメリカ】モルガン・スタンレー、2050年投融資カーボンフットプリント・ゼロを宣言(2020年10月10日)
【参考】【国際】モルガン・スタンレー、2030年までにサステナビリティ分野に110兆円ファイナンス(2021年5月8日)
同社は今回、新たに、航空、化学、資源採掘の3セクターを対象としたセクター別目標も設定。また6セクター全てについて、従来、ファイナンスド・エミッションで設定していた目標を、セクターの原単位排出量(同社は「物理的エミッション」と呼称)に変更した上で、基準年も2019年から2022年にあらためた。これにより、融資先エンゲージメントを強化し、実社会の削減につなげていく意思を示した。原単位排出量の目標水準については、1.5℃目標から1.7目標のレンジとした。
(出所)Morgan Stanley
同社は一方、目標達成に向けたのハードルは高いとみている。今回の報告書では、「現在の政府政策、技術導入、消費習慣は、世界の気温上昇を産業革命以前の水準から1.5℃に抑えるというパリ協定の野心にまだ合致していない。今後数年間で、前述の要因に十分な変化がなければ、私たちの顧客や私たちの起業は、ネットゼロに沿った目標を達成できないかもしれない」と言及。外部環境の進展も踏まえ、同社として尽力していいくとした。
【参照ページ】Morgan Stanley’s 2030 Interim Financed Emissions Targets
【参照ページ】Morgan Stanley Announces 2030 Targets for Net-Zero Financed Emissions Commitment
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