【国際】UNEZA加盟45社、2030年までに蓄電設備容量6倍の1500GWを宣言。COP29

　国際再生可能エネルギー機関（IRENA）が設立した再生可能エネルギーへの転換を促進するための新たなイニシアチブ「Utilities for Net Zero Alliance（UNEZA）」は11月15日、2030年までに電力系統の蓄電設備容量を2022年の6倍の1,500GWに増やし、2040年までに8,000万kmの送電網を増設または改修する宣言「グローバル・エネルギー・ストレージ&グリッド協約」を発表した。

【参考】【国際】UNEZA加盟32社、再エネと送電網で年間16兆円の投資宣言。再エネ3倍に向け（2024年9月27日） 【参考】【国際】電力世界大手25社、再エネ転換推進イニシアチブUNEZA発足。日本からも1社（2023年12月6日）

　UNEZAは、国連気候変動枠組条約第28回ドバイ締約国会議（COP28）の場で、初期加盟25企業で設立。初期加盟企業は、アブダビ国営エネルギー会社（TAQA）、Bui Power Authority、ドバイ電力水道庁（DEWA）、DLOエナジー、EDF、EDP、E.ON、エネル、エンジー、Etihad Water and Electricity、イベルドローラ、ジンコ・パワー、KEGOC、KenGen、マスダール、ナショナル・グリッド、Octopus Energy、RWE、シュナイダーエレクトリック、シーメンス、スコティッシュ・アンド・サザン・エナジー（SSE）、テナガ・ナショナル、ユニパー、Xlinks。日本からは日立製作所傘下の日立エナジーが加盟した。

　現在はさらに、ACWAパワー、アダニ・エナジー・ソリューションズ、アダニ・リニューアブルズ、ドバイ・ケーブル・カンパニー（DUCAB）、エジソン・インターナショナル、ファーウェイ（華為科技）、オーステッド、サクラメント電力公社が加盟しており、国連気候変動枠組条約第29回バクー締約国会議（COP29）では、ブラジルCEMIGが新たに加盟した。

　UNEZAは現在、TAQAとSSEが共同議長を務め、国際再生可能エネルギー機関（IRENA）と国連気候変動ハイレベル・チャンピオンがサポートしている。加盟企業45社の顧客数は3.4億人。時価総額合計は約1兆米ドル。年間1,170億米ドル以上の送電網と再生可能エネルギーへの投資をコミットメントしており、投資計画の約48%は送電網インフラが占める。国際エネルギー機関（IEA）は、2040年までに送電網を8,000万km増設または改修する必要があると発表しており、その実行を支える。

　今回発表したグローバル・エネルギー・ストレージ&グリッド協約に対しては、英国、ベルギー、スウェーデン、ウルグアイの4カ国が公式に支持を表明した。

　UNEZAは今回、サプライチェーンのレジリエンスに関するハイレベル声明も発表し、各国政府に対し、エネルギー移行のスピードを遅らせるおそれのあるサプライチェーンの制約を緩和するサポートをするよう呼びかけた。

　IRENAは、1.5℃目標の達成のためには、2030年までに再生可能エネルギー設備容量を3倍の11.2TWにし2024年から2030年までに年平均1,044GWを追加、2024年から2030年の間に送電網と柔軟性に年平均7,170億米ドルが必要となるとしている。このCOP28での合意を実現するためには、2030年までに、再生可能エネルギー、送電網、柔軟性、効率、節電の全体で31.5兆米ドルの累積投資が必要となる。

【参照ページ】Utilities for Net Zero Alliance (UNEZA) members step up massive investment commitments in support for global ambitions to increase storage capacity six-fold by 2030 and add or refurbish 80 million kilometers of grids by 2040 【参照ページ】New announcements at COP29 power forward clean energy transition

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所