
国際電気通信連合(ITU)は11月16日、国連気候変動枠組条約第29回バクー締約国会議(COP29)の場で、「グリーン・デジタル・アクションCOP29宣言」を発表。1,000を超える政府、企業、市民社会組織、国際機関、地域機関等が賛同した。
「グリーン・デジタル・アクション」は、2023年の国連気候変動枠組条約第28回ドバイ締約国会議(COP28)で発足。IT企業に対し、透明性のある報告や組織としての温室効果ガス排出量削減を提唱している。また、ITU自身は、IT企業による包括的な排出量報告のための公的データベースの構築を進めている。また、World Benchmarking Alliance(WBA)とは協働で、「デジタル企業グリーン化」報告書を作成、ユニタール(UNITAR)とは協働で 「グローバルE-wasteモニター」報告書を発行している。
今回のCOP29での宣言では、気候変動緩和・適応でのデジタル技術の重要性を認識。さらに、データセンターや人工知能(AI)に関連する資源消費や排出増大、ハイテク製造における温室効果ガスや汚染物質のフットプリント等、デジタル技術そのものが気候に与える悪影響にも焦点を当てた。また、電子廃棄物の増大課題も強調した。
COP29宣言は具体的に8つの共通原則で構成されている。
- 温室効果ガス排出、エネルギー効率、気候のモニタリングと予測、緊急時の対応と準備の強化に関する包括的なグローバルアクションのためにデジタル技術を活用する。
- 気候変動影響にレジリエントなデジタルインフラを構築する。
- デジタル・インフラをクリーンエネルギーで動かし、技術による気候への影響を測定・モニタリングするアプローチを確立することにより、デジタル・テクノロジーが気候に与える影響を低減し、ネットゼロまでの排出削減を促進する。
- 気候変動対策のためのデジタル技術を発展途上国でも利用できるようにするとともに、特に若者や女性のデジタルリテラシーの向上を支援する。
- グリーン・デジタル・ソリューションの影響を十分に理解し、規制遵守をモニタリングするためにデータを活用する。
- 知的財産権を十分に考慮した上で、既存の気候変動資金を動員することによる持続可能なイノベーションの奨励、イノベーションへの投資、研究開発、環境的に持続可能なデジタル技術とレジリエントなインフラの活用を奨励する。
- 持続可能な消費者慣行を促進する。
- 温室効果ガス排出を削減し、適応・レジリエンスを強化するためのデジタル政策と技術のベストプラクティスを共有する。
【参照ページ】COP29 Digitalisation Day ‘hardwires’ the digital technology sector for climate action
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