
14の国際機関は11月18日、国連気候変動枠組条約第29回バクー締約国会議(COP29)の場で、共同声明「気候レジリエンスのための人間開発に関するバクー・イニシアチブ」を採択した。気候変動と社会開発のネクサス(つながり)を提唱した。
COP29では、COPとして初めて、人間の開発を議題とする「人間開発デー」が設けられた。今回発表のイニシアチブは、人間開発デーの成果としてまとめられたもの。同時に「気候レジリエンスのための人間開発に関するバクー指導原則」も策定された。
同共同声明に署名したのは、国連開発計画(UNDP)、世界保健機関(WHO)、国連児童基金(UNICEF)、国連教育科学文化機関(UNESCO)、国際労働機関(ILO)、UN Women、国連工業開発機関(UNIDO)、国際移住機関(IOM)、緑の気候基金(GCF)、適応基金(AF)、グローバル基金、アジア開発銀行(ADB)、アジアインフラ投資銀行(AIIB)、イスラム開発銀行(IsDB)。
同共同声明では、教育、保健、社会的保護、ディーセント・ジョブ、スキル開発に焦点を当て、特に子供と若者のニーズに留意しながら、気候変動が人間 開発に及ぼす影響に対処するための協力を強化することや、女性、子供、若者、移住者、避難民、失業した労働者、失業リスクのある労働者、インフォーマル経済で働く労働者、その他の脆弱なグループに焦点を当て、年齢とジェンダーに対応した統合的かつ協調的な行動を通じて、気候変動への耐性を構築するための重要なテコとして人間開発を促進することにコミット。また、各国の国別削減目標(NDC)や国家適応計画(NAP)において、気候変動政策と人間開発との交わりにおける対話を強化していくことでも合意した。
同時に発表された「気候レジリエンスのための人間開発に関するバクー指導原則」は、12の原則で構成されている。
- レジリエントな未来のために、気候変動対策と人間開発を両立させる
- 気候変動への対応のための人間開発政策に関する社会的対話、パートナーシップ、協力を強化する
- あらゆるレベルで質の高い気候変動教育を取り入れ、気候変動に取り組む学生の能力を定期的に評価する
- 気候変動に強く、低炭素な教育システムを構築する
- 優先分野のグリーンスキル、職業資格、職業基準に対する支援を強化する
- 雇用創出の可能性のある新技術やグリーンテクノロジーの応用に向け、アントレプレナーシップ、イノベーション、人材に投資する
- 統合された気候・保健サーベイランス及び早期警戒システムを促進する
- サプライチェーンを含め、気候レジリエントで、低炭素な医療システムと医療施設を構築する
- 気候変動対策において、気候レジリエントで持続可能なエッセンシャルサービスへの投資を含め、子供たち特有の脆弱性を優先する
- 適応力のある社会的保護制度を強化し、全ての人々、特に最も弱い立場にある人々のためのレジリエンスを構築する
- 気候変動の影響を受ける地域社会と移民のための解決策に投資する
- 気候レジリエンスを高めるため、人間開発を強化する官民及び革新的な資金調達手段を拡大する
【参照ページ】International Partners Publish Joint Statement Endorsing Baku Initiative on Human Development for Climate Resilience
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく
ログインする
※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら