Skip navigation
サステナビリティ・
ESG金融のニュース
時価総額上位100社の97%が
Sustainable Japanに登録している。その理由は?

【国際】UNEP FI、ニーズ・マッピングと相互連関性マッピングの2024年版発行。インパクトファイナンス

 国連環境計画金融イニシアチブ(UNEP FI)は12月6日、環境、社会、経済の各側面におけるサステナビリティへのインパクトを特定、理解、対処する金融機関を支援することを目的とした「ニーズ・マッピング」と、各課題の相互関係を整理した「相互連関性マッピング」を改訂し、2024年版を発行した。

 UNEP FIは2017年、国連持続可能な開発原則(SDGs)の達成に向け、金融機関が積極的な投融資を行うための原則「ポジティブ・インパクト・ファイナンス原則(PPIF)」を制定。また同年、国連責任銀行原則(PRB)と関連し、銀行ポートフォリオのインパクト評価を支援するため「インパクトレーダー」を2017年に発表している(その後2022年に改訂)。

【参考】【国際】主要金融機関19社、SDGs達成に向け「ポジティブ・インパクト・ファイナンス原則(PPIF)」を制定(2017年2月16日) 【参考】【国際】UNEP FI、セクターとインパクトのマッチング・ツール2023年版リリース。銀行向け(2023年8月29日)

 その後、UNEP FIは、銀行業務でのインパクト・ファイナンスを促進するためのガイダンスやツールを次々と発表。2023年には、全体を「UNEP FI Tools for Impact Management」として体系的に整理し、各種ガイダンスやツールを、方法論としての「インパクト・プロトコル」、投資分析ツールとしての「Portfolio Impact Analysis Tool for Banks」、参照情報としてのインパクト解説文書「インパクト・レーダー」とそれらの詳細を説明するニーズ、セクター、相互連関性の3つのマッピング・ツール、実践ガイドとしての文書、目標設定のためのガイダンスの5つに分類している。

 さらにUNEP FIは、銀行業務でのインパクト・ファイナンスだけでなく、投資、不動産、企業の3つを各々対象とした「Impact Analysis Tool」も策定。そのうえで、ニーズ、セクター、相互連関性の3つのマッピング・ツールについては、銀行以外の金融機関にとても使用されることを想定し、個別ツールとして管理運用され、ほぼ毎年改訂されている。今回改訂された「ニーズ・マッピング」と「相互関連性マッピング」は、参照情報としてのマッピング・ツールの3つのうちの2つ。

【参考】【国際】UNEP FI、セクターとインパクトのマッチング・ツール2023年版リリース。銀行向け(2023年8月29日)

 ニーズ・マッピング2024年版では、データを拡充し、155カ国・地域をカバー。ユーザビリティも改善された。特に、ユーザーがさらなる調査が必要な箇所を特定できる「ユーザー・プロンプト」機能も設けられた。

 相互連関性マッピングは、各課題間の相互連関を示しており、コベネフィットを追求できるようになっている。2024年版では、環境・社・、経済の各影響分野にまたがる311の相互連関を特定し、ポジティブな相互連関とネガティブな相互連関を含め、強い相互連関と中程度の相互連関を区別できる「相互連関のヒートマップ」を掲載。さらに、インパクト・テーマ毎の関連性についての詳細説明も加えた。

 UNEP FIでは、インパクト・マネジメントの実践では、まず、さまざまな影響分野やトピックに対して「ニーズ」がどのような状況にあるのかの理解。次に、自社の活動や資産が、インパクト・エリアやトピックとどのようにプラスあるいはマイナスに関係しているかの把握。その上で、インパクトを起こす分野について異なる影響領域やトピック間の相互連関の考慮の3つが必要としている。

【参照ページ】UNEP FI launches new and enhanced Interlinkages and Needs mappings to help financial institutions manage impacts

author image

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

この記事のタグ

Sustainable Japanの特長

Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。

  • 時価総額上位100社の96%が登録済
  • 業界第一人者が編集長
  • 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
  • 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする

※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら

"【ランキング】2019年 ダボス会議「Global 100 Index: 世界で最も持続可能な企業100社」"を、お気に入りから削除しました。