
国連砂漠化対処条約(UNCCD)の民間セクター・イニシアチブ「Business4Land(B4L)」は12月4日、国連砂漠化対処条約(UNCCD)第16回リヤド締約国会議(COP16)の場で、B4Lフォーラムを開催。土地に関する情報開示及び目標設定ガイドを発行した。
【参考】【国際】国連砂漠化対処条約、年間42兆円不足。旱魃リスクは世界人口75%に影響へ(2024年12月13日)
B4Lは、2024年1月の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)の場で、UNCCDが発足。COP16議長国サウジアラビア、世界経済フォーラム、WBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)、Change NOW、持続可能な繊維連盟、国際商業会議所(ICC)、国連グローバル・コンパクト(UNGC)、サウジアラビア環境基金が資金支援している。
B4Lの主な活動は、持続可能な事業とサプライチェーン、ファイナンス、政策アドボカシーの3つ。特に関連しているセクターとして、食料、アパレル、製薬、化粧品、林産物に加え、建設・不動産、資源採掘、通信、エネルギー、化学、金融にも参画を呼びかけている。
今回発行されたガイドは、「持続可能な事業とサプライチェーン」のテーマの一環として策定された。策定には、科学的根拠に基づく目標設定ネットワーク(SBTN)、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)、世界経済フォーラム(WEF)も協力している。
同ガイドは、土地に関する情報開示や目標設定を、新規の枠組みではなく、既存のTNFDやSBTNに基づく情報開示や目標設定の一環として実践するよう促す内容となっている。その点で、土地劣化や旱魃等のリスクに特化した編集物とも言える。具体的には、リジェネラティブ農業、水資源管理、持続可能な調達と土地スチュワードシップ、グリーンインフラ投資、自然を軸としたソリューション(NbS)の5つを特に重視している。
同ガイドでは、土地関連アクションの一例として、米国でのリジェネラティブ農業を紹介。短期的には1エーカーあたり最大40米ドルのコスト増となるかもしれないが、長期的には利益が最大120%増加する可能性があるとした。
今回のB4Lフォーラムでは、企業・金融機関向けの「行動要請」も発表。持続可能な事業とサプライチェーン、ファイナンス、政策アドボカシーの3つに関するアクションにコミットし、署名するよう要嬴政している。
さらに同ガイドでは、B4Lそのものへの加盟も促している。加盟要件は、「行動要請」への署名、UNCCD COPの「ビジネス&インダストリー」カテゴリーのオブザーバー承認申請と次期COPへの参加となっている。
【参照ページ】Private sector urged to step up investment in healthy lands
【参照ページ】Business4Land guide: Corporate disclosures and target-setting for land
【参照ページ】Call to Action: Business for Land
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