
世界経済フォーラム(WEF)は1月21日、将来の不確実性に対する企業行動を分析し、レジリエンスを高めるための提言をまとめた報告書を発表した。
同報告書は、世界の250名以上の民間企業のリーダーを対象に、企業のレジリエンスに関する課題に対してどのように対処しているかを調査したもの。調査対象の84%が将来の混乱に対して準備不足と感じているが、レジリエンスのKPIを包括的かつ戦略的に組み込んでいる企業は13%しかなかった。
今回の分析では、将来の不確実性に対して企業が優先している行動の傾向を、財務、組織、事業運営、デジタルとテクノロジー、市場でのポジションと需要、社会とのアラインメントの6つの側面と、先見性、混乱への準備、危機対応、戦略の方針転換の4つのスキルで調査した。
(出所)WEF
多くの企業では、現状、中長期的な戦略よりも短期的な課題への対処を優先する傾向にあると指摘。レジリエンスへの対処の中でも、財務戦略やデジタル戦略を優先することが多く、先見性や混乱の備えといった基盤となるケーパビリティが犠牲となっており、不確実性が高い状態が長引く時代を乗り切るための組織にとって脆弱性を生み出しているとした。
同報告書では、リーダーシップがレジリエンスの構築に極めて重要な役割を果たすと提唱。企業、取締役会、チーム、個人のレベル別にリーダーシップの強化を提唱した。企業レベルでは、先見性のあるシナリオプランニングにより意思決定のスピードを高めること、取締役会はバランスの取れた意思決定のため多様な視点を取り入れる必要があるとした。
チームレベルでは、信頼、自主性、心理的安全性が必要であり、個人レベルでは、レジリエンスの模範となりチームを鼓舞し、燃え尽き症候群や職場での期待の変化に対応する必要があるとした。
また、長期的なレジリエンスの構築のために官民の連携強化を訴えた。具体的には、資本へのアクセス、マクロ経済の安定、持続的な投資とグリーン分野の成長の加速、労働者がイノベーションに対応するための準備の推進等を挙げ、長期的な視点を持つことの重要性を強調した。
【参照ページ】Resilience Pulse Check: Harnessing Collaboration to Navigate a Volatile World
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