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【EU】欧州委、移民・難民の帰還で新制度案発表。強制送還や安全保障リスク管理等を整備

 欧州委員会は3月11日、移民・難民の帰還に関する新たな欧州共通制度案を発表した。今後、EU理事会と欧州議会の調整に入る。2026年に「移民・難民協定」の施行と、2008年制定の帰還指令廃止を目指す。

 移民・難民問題は、インフレ問題と並ぶ欧州の主要な社会問題となっており、各EU加盟国での与党への支持が大幅に減少している原因の一つにもなっている。EUでは現在、域内に受け入れた移民・難民のうち、帰還率が20%程度にとどまっていることを問題視。悪用されやすい状況にあると認識している。2018年には帰還指令の改正案も示されたが、2025年の欧州委員会作業計画の中で廃止が決まり、新たな協定として新制度を確立することとなった。

 新たな共通制度では、まず、EU加盟国が発行する欧州帰還命令の実施ルールをEU規則として定め、運用を統一化。これにより、他の加盟国が発行した返還決定を承認し、直接執行できるようになる。移民・難民協定発効から1年後の2027年7月1日までに実施ルールを採択する。

 さらに、自発的な帰還を奨励する一方で、強制送還に関する明確なルールも設ける。強制送還の適用条件は、EU域内不法滞在者が非協力的な場合、他の加盟国に逃亡する場合、自主的な出国の期限までにEUを出国しない場合、安全保障上のリスクがある場合。非協力的な場合には、支援措置の減額や拒否、パスポートの差し押さえ等の措置を厳格に適用。同時に、自発的な帰還への支援を含め、協力へのインセンティブも強化する。帰還措置には、国際的な人権基準を適用し、不服申立の権利、社会的弱者への支援、未成年者や家族に対する強力な保護措置、ノン・ルフールマン原則の遵守等を確保する。

 加えてEU加盟国は、虐待防止や逃亡阻止のため、帰還者の居場所を指定することも可能となる。その場合には、経済的保証、定期報告、国家当局が指定する場所への居住等が確保される。居場所指定の期間は、現行の18カ月に対し、最長24カ月にまで延長。ノン・ルフールマン原則に関連する問題がない限り、自動的に強制送還が停止されなくなる。

 また、新ルールでは、EU加盟国では、移民や難民の安全保障リスクを早い段階で審査することも義務化される。安全保障リスクがあると判断されると、強制送還、入国禁止期間の延長、別の場所での拘留、厳格なルール等が適用される。裁判官の命令により、拘留は通常の24カ月を超えて延長することも可能となる。

 EU加盟国からの要請が多かった新たな移民管理策については、EUもしくはEU加盟国と第三国が協定を締結することで、第三国に送還する法的枠組みも用意しにいく。送還先の国については、ノン・ルフールマン原則を含む国際法や国際人権基準と原則を尊重することが必須。未成年者のいる家族や同伴者のいない未成年者は送還の対象外。また送還先の国での状況についても、協定を締結したEUもしくはEU加盟国がモニタリングしていくことも必須とする。

 帰還者が帰還のプロセスとしてEU加盟国に再入国する場合にも備え、EU加盟国間でのデータ共有を強化し、帰還決定と再入国要請が一体的にフォローできるようにする。

【参照ページ】Commission proposes a new Common European System for Returns

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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