
国際環境団体28機関で構成する「ネイチャーポジティブ・イニシアチブ(NPI)」は3月20日、「ネイチャーポジティブ」状態を測定するための陸域分野の指標案に関し、解説内容を発表した。
自然資本(生物多様性)分野では、すでに、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)や、科学的根拠に基づく目標ネットワーク(SBTN)分野が情報開示項目の特定を進めてきたが、「ネイチャーポジティブ」状態の測定指標については必ずしも明確になっているわけではない。そこでNPIは、TNFDやSBTNも含めた主要機関を中核メンバーとして招聘し、指標開発に着手。最終的に、TNFD、SBTN、GRIスタンダード等の国際開示フレームワークの中に組み込まれていくことを目指している。
NPIは2024年10月、企業と金融機関を対象とした指標草案を公表し、パブリックコメントを募集。1月にはパブリックコメントを踏まえた指標案を公表し、パイロットプログラムの自主参加機関の募集を開始している。
(出所)NPI
【参考】【国際】ネイチャーポジティブ・イニシアチブ、「自然状態」の測定指標案発表。パブコメ募集(2024年10月11日)
【参考】【国際】ネイチャーポジティブ・イニシアチブ、開発指標試行プログラム開始。参画企業募集(2025年2月21日)
今回の発表では、1月に陸域指標案として開示した「生態系範囲(IND1)」「生態系状態(サイトの状態)(IND3)」「生態系状態(景観)(IND4)」「種の絶滅リスク(IND6)」の4つの「ユニバーサル指標」を解説した。
「生態系範囲」は、企業がバリューチェーンの中で所有権や影響力を持つ、特定の自然生息地の広さと空間を指し、資源や生態系サービスを提供するために利用されている自然の面積が含まれる。これにより事業利用している熱帯雨林、温帯林、砂漠、ツンドラ等の生態系の面積を知ることができ、それらが時間の経過でどう変化してきたかを把握できる。
「生態系範囲」が面積という量を測る指標なのに対し、「生態系状態」は、生態系の質を測るもの。そのうち「サイトの状態」に関しては、生態系サービスが継続的に提供できる状態にあるかを把握。「景観の状態」では、個々のサイト単位ではなく、原生状態(パッチまたは断片)、構造的連結性(パッチ間の回廊)、機能的連結性(エリア間の移動)の観点からマクロ視点での状態を把握する。
「種の絶滅リスク」は、事業活動が絶滅リスクの増減にどのような影響を与えるかを把握する。
NPIは、「ユニバーサル指標」とは別に、より重要度や影響度が高い場合に策定された「トリガー基準」のいずれかを満たす場合に適用される追加指標として「ケース特有指標」も用意している。
NPIは、6月には、海洋域の指標案を発表を予定している。また淡水域の指標案の開発も進める計画。陸域の指標案は2026年に完成させる予定。
【参照ページ】Four key indicators in the draft State of Nature Metrics
【参照ページ】Draft State of Nature Metrics for Piloting
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