
国際資本市場協会(ICMA)は3月25日、サステナブルファンド市場の現状と提言をまとめた報告書を発行した。EUと英国が導入したサステナブルファイナンス関連規制による影響を俯瞰しつつ、対象領域を拡大すべきと伝えた。
同報告書では、サステナブルファンド市場は約3.3兆米ドル(約500兆円)に到達し、そのうち84%が欧州に集中していると分析。そのうち、約60%のユーロ建て公募ファンドはEUのサステナブルファイナンス開示規則(SFDR)の「8条ファンド(ライトグリーン)」と「9条ファンド(ダークグリーン)」に分類されている。
その中で、米国ではESGファンドへの資金流入が減速し、むしろ欧州に向かって資金フローが発生している状況にあり、欧州市場は追い風と評価。但し、欧州市場では、EUのSFDRや、英金融行動監督機構(FCA)の「サステナビリティ開示要件(SDR)及び投資ラベル」制度、欧州証券市場監督局(ESMA)のガイドラインにより、多くのサステナブルファンドがブランド変更やファンド戦略の変更が余儀なくされているとした。
現状の規制環境への懸念では、SFDRやSDRが目的とした運用会社のグリーンウォッシングについては、定量的なデータが存在しておらず、規制当局の行動は教育的アプローチが中心となっている点に言及。ファンド名の変更についても、目的と実態が必ずしも一致しておらず、市場の混乱の素になっていると評価した。ESMAのガイドラインの影響では、ファンド約1,600本がファンド名称変更や資産売却を迫られ、2025年までに最大50%のEUファンドが名称変更する可能性があるという。
さらに、EUタクソノミーに基づく画一的なサステナビリティ基準でサステナブルファンドを定義しようとすると、投資可能なユニバースが過度に狭まるリスクがあると指摘した。その上で、ファンド名称の変更等については、一貫した基準を策定すべきとした。その中で、気候変動リスクを重要とする場合には、気候移行計画(トランジションプラン)を策定・実践する投資先へのファンドのエクスポージャーを一律に開示させるための規制も検討すべきとした。
今後に向けた提言では、EUタクソノミーだけでなく、他の公式タクソノミー、ESG格付、収益/CapEx閾値等も活用できるよう、EUや英国の法律を改正すべきとした。特に、高排出セクターでの温室効果ガス排出量削減が非常に重要と捉え、トランジションに向けた投資を加速させるべきとした。
【参照ページ】ICMA publishes new paper with reflections and recommendations for the sustainable fund market in a new regulatory environment
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