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【アメリカ】ペプシコ、pep+戦略目標を改訂。持続可能な農業は引上げ。それ以外は後退

 食品世界大手米ペプシコは5月22日、新たに中長期的な環境目標を発表した。2021年に掲げた「pep+戦略」に基づく目標を3年半ぶりに改訂した。

【参考】【国際】ペプシコ、pep+戦略発表。リジェネラティブ農業、水資源、DE&I、栄養改善等で強いコミット(2021年9月17日)

 同社は今回、pep+戦略のこれまでの成果として、農業と水では飛躍し、容器・包装(パッケージング)と気候変動でも前進できたと振り返った。

 その上で、事業のレジリエンスを強化し、最もポジティブな影響を与えることができると考える分野に焦点を絞ると表明。特にリジェネラティブ農業についてはさらにアクセスを踏む一方、それ以外については、インフラ整備の遅れや事業の成長等、外的要因や制度的障壁によって制約を受けており、より現実的な目標に軌道修正するとした。

気候変動

テーマ 前回(2021年)目標 今回(2025年)目標
スコープ1、2 2030年までに2015年比75%減 2030年までに2022年比50%減
スコープ3(エネルギー&産業) 2030年までに2015年比40%減 2030年までに2022年比42%減
スコープ3(FLAG:農業・土地・林業) 2030年までに2015年比40%減 2030年までに2022年比30%減
スコープ1、2、3合計 2030年までに2015年比40%減 廃止
再生可能エネルギー 2030年までに自社事業電力100% 変更なし
ネットゼロ 2040年を期限 2050年を期限

※FLAG(森林・土地・農業)目標を含め、科学的根拠に基づく削減目標イニシアチブ(SBTi)からの短期目標承認にコミットする。

テーマ 前回(2021年)目標 今回(2025年)目標
事業での水消費効率(2025年目標) 水リスクの高い地域で2015年比25%向上 2023年に達成済み。更新なし。
事業での水消費効率(2030年目標)-水リスクの高い地域 水リスクの高い地域にある自社と委託先工場の100%で水消費で業界最高水準を達成 水リスクの高い地域にある自社とフランチャイズボトラー工場の100%で、業界平均(飲料は1.4L/L、食品は1.7L/kg)を達成
事業での水消費効率(2030年目標)-その他 ワールドクラスの水消費効率を達成 廃止
水還元(2025年目標) 水リスクの高い地域の自社工場で水還元率100% 変更なし
水還元(2030年目標) 水リスクの高い地域にある工場での水消費量の同量以上を地域の水系に還元 水リスクの高い地域にある自社とフランチャイズボトラー工場での水消費量の同量を地域の水系に還元
Alliance for Water Stewardship(AWS)認証 水リスクの高い地域の製造拠点で取得 変更なし
ネット・ウォーター・ポジティブ 2030年を期限 変更なし

※リスクの高い流域での業務用水使用効率を25%改善するという目標をすでに達成し、農業用水使用効率を15%改善するという目標も2年前倒しで達成。今後はリスクの高い地域に焦点を絞る。

パッケージ

テーマ 前回(2021年)目標 今回(2025年)目標
バージンプラスチック削減 再生可能ではない資源を原料とするバージンプラスチック量を2030年までに2020比20%減 主要市場を対象に、再生可能ではない資源を原料とするバージンプラスチック量を毎年2%減
再生プラスチック素材 再生プラスチック素材の含有割合を2030年までに50% 主要市場を対象に、再生プラスチック素材の含有割合を2035年までに40%
パッケージ設計 リサイクル可能、再利用可能、堆肥化可能、生分解可能な素材率を、廃棄段階で2025年までに100% 主要市場を対象に、リサイクル可能、再利用可能、堆肥化可能な素材率を、設計段階で2030年までに97%以上
1食当たりのバージンプラスチック削減 再生可能ではない資源を原料とするバージンプラスチック量を2030年までに2020比50%減 廃止
再利用 使い捨てパッケージを必要としない飲料提供を2030年までに20% 廃止
パッケージ素材イノベーション 市場で最先端のバイオ素材/再生素材を活用 新たな素材開発イノベーションに向けパートナーや外部機関と協働
リサイクル率 主要市場で2025年までにリサイクル率を向上 主要パッケージ市場でリサイクル率を向上

※主要市場に焦点を当てる戦略にシフト。生分解性の追求は取りやめ。

農業

テーマ 前回(2021年)目標 今回(2025年)目標
リジェネラティブ農業 2030年までに農地面積700万エーカー 2030年までに農地面積100万エーカー(土壌保護・再生農地も含む)。すでに現状で350万エーカー達成済み
農業での水効率 水リスクの高い水系にある原料調達農地での水消費効率を2025年までに2015年比15%向上 2023年に達成済み
持続可能な原料調達 自社栽培作物(じゃがいも、とうもろこし、オート麦)と外部調達作物(植物油や穀物等)で2030年までに持続可能な調達率100% 自社栽培作物(じゃがいも、とうもろこし、オート麦)と外部調達作物(植物油や穀物等)で2030年までに持続可能な調達率90%(但し100%の野心は維持)
森林破壊フリー調達 自社とサプライチェーン全体で2025年までに100% 自社とサプライチェーン全体で2030年までに100%。
土地利用変化フリー調達 なし 自社とサプライチェーン全体で2030年までに100%。
所得 農業サプライチェーンとコミュニティ25万人の所得を2030年までに改善 農業サプライチェーンと支援コミュニティ25万人の所得を2030年までに改善

 また、同社は今回、pep+戦略で上記以外に設定していた栄養に関する目標は据え置き。飽和脂肪酸、糖類、食塩の含有量を減らし、より多様な原材料を増やしていく。

 飲料大手では、コカ・コーラ・カンパニーも2024年12月に2035年環境目標を改訂し、同様の目標引下げを行っている。但し、その際にコカ・コーラ・カンパニーは、持続可能な農業に関する目標そのものを廃止していたが、対照的にペプシコは同目標を堅持しつつ、さらに引き上げる戦略を採用した。

【参考】【国際】コカ・コーラ、2035年環境目標発表。前回目標から指標を厳選。水・リサイクル目標も(2024年12月4日)

【参照ページ】PepsiCo Refines Sustainability Goals to Position Business for the Long-Term

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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