
製鉄世界大手アルセロール・ミタルは5月15日、フランスでの製鉄脱炭素化に12億ユーロ(約1,950億円)の投資を行う意向をあらためて表明した。
同社は、仏ダンケルクに初となる電炉を建設する計画を示していたが、コスト増、海外からの安い鉄鋼輸入の増加、米国との関税摩擦により、欧州の鉄鋼業界が苦境に立たされていることを受け、計画続行に暗雲が立ち込めていた。
そこで欧州委員会は3月、欧州の鉄鋼業界を中国からの輸入急増から守るため、鉄鋼セーフガード措置を強化する「EU鉄鋼・金属アクションプラン」を発表。自由化率を1%から0.1%に引き下げ、EUに無関税で輸入できる鉄鋼の量を制限。また、ロシアやベラルーシを含む他国の未使用枠についても全量を失効。さらに、輸入圧力が高く消費量が少ない製品カテゴリーについては、未使用枠を次の四半期に繰り越すことができる「キャリーオーバー」メカニズムも廃止することを決定した。多くの措置は4月1日に発動され、残りも7月1日に発動される。また同措置は2026年6月30日が期限となっている。
同社は今回、欧州委員会の「鉄鋼・金属アクションプラン」を評価。加えて、欧州委員会の通商政策と炭素国境調整メカニズム(CBAM)により市場環境は好転すると見立てており、今回の投資再表明となった。
同社は、別途、既存の製鉄所の修繕として、ダンケルク製鉄所に2億5400万ユーロ、フォス製鉄所に5300万ユーロ、さらに、2025年末までに完成予定のマルディック電炉製鉄所建設に5億ユーロの投資も予定。フランス国内で合計20億ユーロ(約3,200億円)の投資計画となる。
【参照ページ】ArcelorMittal confirms its intention to invest €1.2 billion in Dunkirk to decarbonize
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