
欧州委員会は6月5日、海洋・沿岸の包括的政策「欧州海洋協定」を採択した。6つの優先事項を定めた。第3回国連海洋会議(UNOC3)の場で、フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長が発表する。
同政策で定めた優先事項は、「海洋健全性の保全と再生」「持続可能なブルーエコノミーの競争力強化」「沿岸地域、島嶼地域、最外縁地域の支援」「海洋研究、ナレッジ、スキル、イノベーションの推進」「海洋安全保障と防衛の強化」「EUの海洋外交と国際海洋ガバナンスの強化」。
海洋健全性の保全と再生では、欧州委員会は、劣化した沿岸域と海洋の生態系を再生するために、EU加盟国を支援。特に、加盟国に海洋保護区の設置と管理を奨励するとともに、海洋戦略枠組指令と海洋空間計画指令の改正も検討する。
持続可能なブルーエコノミーの競争力強化では、欧州委員会は、新たな「産業海洋戦略」と「EU港湾戦略」を策定し、EUの海事産業を強化する。また、共通漁業政策の見直しも検討する。さらに、EUの漁業と養殖の繁栄を確保するため、欧州委員会は、2026年に当該分野の長期的ビジョンを提示。「ブルー・ジェネレーション・リニューアル戦略」も策定し、海洋研究、海洋技術、持続可能な漁業における若い専門家へのアクセスも促進する。
沿岸地域、島嶼地域、最外縁地域の支援では、新たに戦略を策定し、島嶼部に関する新戦略と最外縁地域戦略の改訂を検討する。欧州ブルーカーボン保護区の創設に関する政策も検討する。
海洋研究、ナレッジ、スキル、イノベーションの推進では、海洋デジタルツインも含めた革新的なEU海洋観測イニシアティブを検討する。
海洋安全保障と防衛の強化では、EU沿岸警備隊と海軍の協力及び海上国境警備を強化。特に、バルト海と北海を中心に、欧州の海域から不発弾を撤去するための戦略も策定する。AIや高度なセンサー等の技術を活用し、海洋活動のリアルタイム監視や、先駆的な欧州ドローン船団への投資も計画する。
EUの海洋外交と国際海洋ガバナンスの強化では、2026年1月から、IUU漁獲証明のデジタル化スキーム「IT CATCH」を義務化。さらに、国連公海等生物多様性協定(BBNJ協定)の速やかな発効と、プラスチック条約、南氷洋における3つの広大な海洋保護区の指定等を優先事項に掲げた。
同協定の枠組みの実効性確保では、2027年までにEU海洋法を制定する予定。
【参照ページ】Commission adopts European Ocean Pact for a healthy ocean, a competitive blue economy and thriving coastal communities
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