
国際労働機関(ILO)は8月16日、生涯学習のコスト算定手法に関する研究成果をまとめた提言レポートを発行した。政府、労働組合、経営者団体を含むILO構成員が、官民双方で生涯学習活動の費用と資金調達を効率的かつ公平に配分できるようにすることを目的としている。
ILOは、生涯学習には、公的機関による正規学習、民間団体による非正規学習、非公式な学習を含む広範な概念として扱っており、技術・職業教育訓練(TVET)や職場学習(WBL)もこの中に含まれる。
ILOは、生涯学習を、スキル習得、雇用可能性(エンプロイアビリティ)、労働需要との調整、個人及び社会の発展にとって重要なものと扱っており、政府、教育機関、企業、社会パートナー間の的を絞った投資、資金調達モデル、強固な連携が、特にILOが支援の対象としている新興国や発展途上国において不可欠としている。
しかし実態としては、技術・職業教育訓練は資金不足や対象者のインクルージョン課題を抱えている状態にある。さらに職場学習では、実態データも不足しており、ポテンシャルを最大化できない。職場学習を支える非公式学習(NFL)と既習経験の認定(RPL)についても、品質基準の確立、正規教育と非正規教育の調整、コスト透明性の確保といった課題が存在している。
今回の研究では、生涯学習への資金動員を増やし、効果を最大化するには、生涯学習に投じられているコスト構造を把握することが重要と認識。特に、直接費と間接費の体系的評価を行う原価計算のモデルを確立することを推奨した。
原価計算モデルとしては、費用便益分析(CBA)、費用効率分析(CEA)、費用効用分析(CUA)の3つが有名だが、他にも、収益性分析(PA)、貢献利益分析(CMA)、機会費用分析(OCA)、限界費用分析(MCA)等が存在している。各々の分析手法には長所と短所があるため、目的に応じて使い分けることを提言した。さらに、定量的コスト見積もりと定性的教育成果の両方を統合した意思決定モデルを構築すべきとした。
さらに生涯学習の内容面では、広範な経済的変革が発生していることを認識し、グリーントランジションやデジタルトランスフォーメーションとの統合を必須とした。原価計算モデルを確立する際には、これらの2つの要素を組み入れ、急速な技術的・環境的変化の中で生涯学習プログラムが関連性を維持することを保証すべきとした。
【参照ページ】Methodologies for the costing of lifelong learning
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