
欧州委員会は10月8日、AI分野でEUが優位性を確保するため、欧州の主要産業と公共部門でAI活用を加速させる「AI応用戦略」と、AI駆動型の研究と科学的卓越を促進する「科学におけるAI戦略」の2つを採択した。4月に策定した「AI大陸アクションプラン」を前進させる。
【参考】【EU】欧州委、AI大陸アクションプラン発表。大規模インフラ整備と企業導入促進(2025年4月12日)
欧州委員会は今回、EUは6年前、世界トップ10のスーパーコンピューターを2台保有していたが、現在では4台を保有し、4基から5基のギガファクトリー設立に向けた作業が進行中と強調。EUがAI分野での優位性を確保しつつあるとの認識を示した。
今回策定した「AI応用戦略」では、医療、医薬品、エネルギー、モビリティ、製造業、建設、農業・食料、防衛、通信、文化等の戦略的・公共分野におけるAI導入を推進し、AIの変革的潜在力を活用することを目的に設定。また中小企業の特定ニーズを支援し、産業界がAIを業務に統合することを支援する。
具体的には、医療分野向けのAIを活用した高度スクリーニングセンターの設立や、製造業、環境、製薬等の分野に特化したフロンティアモデルやエージェント型AIの開発を支援。欧州委員会は約10億ユーロを動員し、将来的には金融、観光、Eコマース等の分野における新たなイニシアチブも立ち上げていく考え。
さらに、横断的施策として、インフラ、データ、テスト施設を連携させることによる市場投入までのリードタイムの短縮、EUの労働力を強化し全セクターでAI対応を実現することや、欧州の主要なAI関係者を結集してイノベーションを支援するフロンティアAIイニシアチブを立ち上げることも盛り込んだ。加えて、政策を調整するため、産業界、公共部門、学術界、社会パートナー、市民社会を結集するフォーラムとして「Apply AIアライアンス」を立ち上げる。AI法の運用では、サービスデスクを発足する。
「科学におけるAI戦略」では、「Apply AIアライアンス」と並行して、AIリソースを統合・調整する仮想欧州研究所「RAISE(欧州AI科学リソース)」を発足。5,800万ユーロの予算を用意し、最優秀のAI・科学人材を育成・確保・誘致する。科学分野における計算能力へのアクセス強化では、HorizonEurope予算から6億ユーロを投入。EUの研究者やスタートアップがAIギガファクトリーに優先的にアクセスできるようにする。研究資金では、HorizonEurope予算を年間30億ユーロ超へと倍増させ、科学分野におけるAI資金も2倍にする。
【参照ページ】Commission launches two strategies to speed up AI uptake in European industry and science
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