
欧州委員会は4月9日、「AI大陸アクションプラン」を発表した。AIで世界のリーダーを目指す。規制が先行して始まったAIで、AIの機会を積極的に創出するための政策が動き出す。
欧州委員会は2月、フランス政府主催のAIアクション・サミットの場で、2,000億ユーロ(約32兆円)のAI投資基金「InvestAI基金」創設を発表しており、今回包括的な戦略を示した形。
【参考】【EU】欧州委、InvestAI基金創設。AIインフラ整備に32兆円投資。医療・科学のブレイクスルー(2025年2月13日)
同アクションプランは、すでに発表されている政策も踏まえ、AI促進政策をパッケージとしてまとめたもの。全部で5つの柱で構成されている。
- 大規模なAIデータ及びコンピューティングインフラの構築
- 大規模かつ高品質なデータへのアクセスを拡大
- アルゴリズム開発とEUの戦略的分野におけるAI導入促進
- AIスキル・人材強化
- 規制のシンプル化
大規模なAIデータ及びコンピューティングインフラの構築では、2024年6月に改正欧州高性能計算(EuroHPC)共同事業規則が制定されたことを踏まえ、欧州のスタートアップや中小企業が、AIスーパーコンピュータ、関連データセンター、AI向けスーパーコンピューティングサービスを含む設備を運営する事業体「AIファクトリー」を活用できるようになった。すでにEU加盟国13カ国で合計13のAIファクトリーが選定されている。
【参考】【EU】改正EuroHPC共同事業規則、成立。中小企業やスタートアップにAIインフラ開放(2024年6月23日)
【参考】【EU】欧州委、生成AI開発促進で「AIファクトリー」公募開始。6400億円資金動員)(2024年9月17日)
今回の発表では、さらに大規模なAIギガファクトリーの選定公募も開始する。AIギガファクトリーは、AIファクトリーの4倍にあたる約10万個の最新AI半導体を搭載。膨大なコンピューティングパワーとデータセンターを統合し、これまでにない規模で複雑なAIモデルの訓練と開発を行う。最大5ヶ所が選定され、InvestAIから、総額200億ユーロが動員される。
さらに、クラウド容量とデータセンターへの民間投資を促進するため、新たにクラウド・AI開発法の制定も進める。今後5年から7年で、EUのデータセンター容量を3倍にことを目標とし、サステナビリティの高いデータセンターを優先する。同日に、クラウド・AI開発法に対する意見募集も開始した。締切は6月4日。
大規模かつ高品質なデータへのアクセスを拡大では、AIファクトリーにおける様々なソースからの大量の高品質なデータを収集し、管理するデータラボを設立する。AIソリューションを拡張できる真のEU域内データ市場を創出するため、包括的なデータ連合戦略も2025年に発表する。
アルゴリズム開発とEUの戦略的分野におけるAI導入促進では、今後数ヶ月内に「AI適用戦略」を策定。現在13.5%にとどまっているEU企業のAI導入リティを引き上げる。AI適用戦略の在り方に関する意見も6月4日まで募集する。
AIスキル・人材強化では、高度AI人材の海外採用を促進。生成AIを含めた教育・訓練プログラムも開発する。規制のシンプル化では、すでに制定したAI法のサービスデスクを設置し、AI法の義務内容を明確にすることで、規制遵守のハードルを下げる。
【参照ページ】Commission sets course for Europe's AI leadership with an ambitious AI Continent Action Plan
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