Skip navigation
サステナビリティ・
ESG金融のニュース
時価総額上位100社の97%が
Sustainable Japanに登録している。その理由は?

【環境】自然クレジットの制度整備状況 ~オフセット・貢献主張・自然投資をどう区別するか~

 ネイチャーポジティブに向けた民間資金の動員手段として、自然クレジットや生物多様性クレジットへの関心が高まっている。しかし、カーボンクレジットのように多数の企業が継続的に購入するボランタリー市場が、すでに成立しているわけではない。

 豪気候・自然分野の投資・アドバイザリーPollination Group傘下NGOのPollination Foundationと、生物多様性クレジット市場専門調査機関bloomlabsが2026年6月、52の市場関係者への調査と取引データの分析結果を公表。現在販売中または販売実績がある事業者は19組織で、2022年以降に約7,000件の取引が確認されているものの、その大半は個人による購入だった。bloomlabsが把握した販売総額も536万米ドル(約8.4億円)で、販売者19組織の95%が、過去12カ月間の販売を制約した要因として買い手需要の不足を挙げた。

 一方、英国では開発事業者に生物多様性ネットゲイン(BNG)を義務付け、必要に応じて開発地外の生物多様性ユニットを取得する市場が形成されている。オーストラリアでも、州レベルの生物多様性オフセット制度に加え、連邦政府がボランタリー市場として創設した自然修復市場(Nature Repair Market)を環境法上のオフセットへ接続する制度を整備している。

 企業が自主的に自然回復へ貢献するために購入するクレジットと、開発による残余影響を補償するためのオフセットでは、需要が生じる理由も購入後に主張できる内容も異なる。さらに自然への民間資金全体を見れば、クレジット市場よりはるかに大きな自然関連投資がすでに存在する。

 本稿では自然クレジットの利用を、規制オフセット・残余影響への補償、自然回復への貢献・インセッティング、自然関連投資の成果証明に分け、企業が何を主張できるのかを整理する。

自然クレジットとは何か

 自然クレジットには現時点で世界共通の法的定義がない。このうち生物多様性クレジットについて、生物多様性クレジット同盟(BCA)は、測定され、証拠に基づき、耐久性があり、実施しなければ生じなかった追加的なポジティブな生物多様性アウトカムを表す証書と定義している。

 カーボンクレジットとの大きな違いは、生物多様性の場所固有性だ。生物多様性クレジットに関する国際諮問パネル(IAPB)は、生物多様性は代替可能ではなく、世界共通の標準化された生物多様性単位を設定することは適切ではないと明記している。異なる場所、生態系、生物種で生じた成果を一つの単位へ変換し、自由に交換する考え方には慎重で、現段階で二次市場も支持していない。

 実際の制度設計も一様ではない。英国BNGでは、生息地の面積、状態、特異性、戦略的重要性等を基に生物多様性ユニットを数量化する。一方、オーストラリアの自然修復市場では、一つのプロジェクトにつき一つのデジタル生物多様性証書を発行する。

 IAPBは、生物多様性クレジットの用途を、…

この記事は有料会員限定です。

無料会員に登録すると、
有料記事の「閲覧チケット」を毎月1枚プレゼント。
登録後、すぐにご希望の有料記事の閲覧が可能です。

※ 閲覧チケットは翌月への繰り越しはできません。

無料登録してチケットを受け取る

【無料会員向け】有料記事の閲覧チケットの詳細はこちら

または

有料会員プランで
企業内の情報収集を効率化

  • 2000本近い最新有料記事が読み放題
  • 有料会員継続率98%
  • 有料会員の役職者比率46%
有料会員プランに登録する

この記事のタグ

"【ランキング】2019年 ダボス会議「Global 100 Index: 世界で最も持続可能な企業100社」"を、お気に入りから削除しました。